〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

本家 啄木の息

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <8>

啄木文学散歩・もくじ 8 錦木塚展示室の石川啄木 秋田県鹿角市錦木地域活動センター(錦木塚歴史公園内) 展示室は鍵の閉まった部屋になっているので、係の人に解錠していただき見学する。 無料。 プロローグ ここ錦木の里は、古くからみちのくの歌枕として…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <7>

啄木文学散歩・もくじ 7 錦木塚歴史公園 啄木は伝説を聞き作品をつくる 「錦木塚歴史公園」の広い敷地を区切るこの門が「錦木塚」への入口 錦木塚伝説今から千数百年前のこと、錦木のあたりに政子姫という娘がいた。錦木を売る若者が政子姫を見て心の底から…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <6>

啄木文学散歩・もくじ 6 鹿角市立花輪小学校と田中正造と石川啄木 秋田県鹿角市立花輪小学校足尾銅山鉱毒事件を告発した田中正造(1841-1913)が、かつて勤めていた花輪支庁舎跡に建つ学校。 右上に写っている松の枝は田中正造のいた時代のもの。 田中正造は…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <5>

啄木文学散歩・もくじ 5 啄木の姉サダの葬儀を行った『鏡得寺』 曹洞宗瀧澤山 『鏡得寺』山門 背後に山を背負い、木立も豊かな『鏡得寺』。 ここは啄木の姉サダの葬儀が行われた寺である。 啄木の母カツに縁のある常照寺からみると、6kmほど北、東北道小坂IC…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <4>

啄木文学散歩・もくじ 4 「『康楽館』の歌舞伎」を啄木の姉夫妻は……… 「明治百年通り」「小坂鉱山事務所」「康楽館」など重要文化財の建築物が立ち並ぶ遊歩道。 アカシアと桜の並木に、はためく幟が美しい。 明治の芝居小屋「康楽館」康楽館は1910(明治43)…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <3>

啄木文学散歩・もくじ 3 「郷土館」にて ── 啄木の姉夫妻が小坂にいた頃 小坂町立総合博物館『郷土館』鉱山と湖のまち小坂の歴史・文化を中心に展示している。 田村叶・サダ(啄木の姉)夫妻が小坂鉱山に転職した1904(明治37)年の翌年、小坂鉱山は、資本金…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <2>

啄木文学散歩・もくじ 2 啄木の姉サダの夫が働いた「小坂鉱山」の事務所」 小坂鉱山事務所 秋田県鹿角郡小坂町の小坂鉱山は、江戸末期に発見された。 ヨーロッパの進んだ技術が導入され、黒鉱自熔製錬法の完成と露天掘によって、銀山から銅山に生まれ変わり…

秋田県鹿角と石川啄木をつなぐ縁 <1>

啄木文学散歩・もくじ 秋田県鹿角市縦に長い四角形をした秋田県。その北東部に鹿角市(かづのし)はある。日本海と太平洋から一番遠く、冬は寒さが厳しい。東は岩手県、北は青森県と接していて十和田湖が近い。 この静かで美しい東北の町に、石川啄木の縁を…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その12(おわり)>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 常光寺-4 常光寺 歴代住職の墓地 葛原対月の墓について 『啄木の母方の血脈──新資料「工藤家由緒系譜」に拠る』 編集 森 義真 佐藤 静子 北田 まゆみ 2008年5月11日発行 対月の墓は、青森県上北郡野辺…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その11>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 愛宕公園-4ハマナスの赤い実 「石川啄木と野辺地町」 今井輝夫 啄木歌碑建設の会常任理事 啄木の日記や手紙を読むとき、そして、啄木の生涯を考えるとき、野辺地町が啄木にとっていかに大きな存在であ…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その10>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 愛宕公園-3歌碑の向こうに見える野辺地町と野辺地湾 愛宕公園から見る海は意外に近い。 啄木の野辺地訪問 書簡より(『石川啄木全集 第七巻』 筑摩書房) *書簡のため、実際に訪れた日とは異なってい…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その9>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 愛宕公園-2歌碑を示す標柱 右後ろにあるのが啄木歌碑。 『啄木文学碑紀行』浅沼秀政 著青森県野辺地町・愛宕公園の歌碑 啄木の母カツの兄は葛原対月という曹洞宗の僧で、父一禎の師僧でもあった。対月…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その8>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 愛宕公園-1愛宕公園入口 野辺地町愛宕公園は、1884年(明治17)に町を一望できる高台に造られた。 一禎が野辺地を訪れたのは、1879年(明治12)だから、まだこの公園は造られていなかった。 石川啄木…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その7>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 常光寺-3常光寺本堂左側の樹は季節になると華やかに咲く枝垂れ桜。 一禎と野辺地とその最期 1879年(明治12)、一禎は行脚僧として野辺地常光寺に逗留。1906年(明治39)、一家の苦境をしり目に家出し…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その6>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 常光寺-2常光寺境内にある「銘馬御座碑」 六地蔵の祀られているお堂の隣に、背の高い形の変わった碑があった。それが「銘馬御座碑」である。「高さ七尺五寸、横四尺五寸、大字八行の銘があり字形奇偉…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その5>

啄木文学散歩・もくじ 青森県上北郡野辺地(のへじ)町 常光寺-1常光寺 常光寺は、啄木の父・一禎ゆかりの寺である。 野辺地駅より北東1.5kmほどのところにあり、後に紹介する愛宕公園に近い。ここ野辺地に「父一禎は約三年間逗留し、啄木は三度、延べにして…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その4>

啄木文学散歩・もくじ 青森県 上北郡 野辺地(のへじ)町 野辺地駅野辺地は父・一禎が野辺地の常光寺に寄寓した関係で、啄木も3回訪れた地である。 野辺地駅 2010年(平成22)東北新幹線の全線開業に伴い、東北本線が青い森鉄道に移管された。「野辺地駅」は…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その3>

啄木文学散歩・もくじ 青森県青森市 合浦公園(がっぽ こうえん)(つづき) ハマナスの花。 ハマナス(浜茄子、浜梨) 夏に赤い花(まれに白花)を咲かせる。根は染料などに、花はお茶などに、果実はローズヒップとして食用になる。晩夏の季語。 「ハマナス…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その2>

啄木文学散歩・もくじ 合浦公園(がっぽ こうえん)(つづき) 中央が石川啄木歌碑 『啄木文学碑紀行』浅沼秀政 著妻子を盛岡の実家に、老母を渋民の知人宅に託して啄木が妹光子とともに新しい運命を開拓すべく津軽の海を越えたのは明治四十年五月四日であっ…

「青森の海を臨む 石川啄木歌碑」 <その1>

啄木文学散歩・もくじ 青森県青森市 合浦公園(がっぽ こうえん) 合浦公園は、市街地の公園としては全国でも珍しい海浜公園で明治27年に造られた。平成元年「日本の都市公園100選」に選ばれた。 松と石碑の多い公園で石川啄木や松尾芭蕉等の石碑や句牌・胸…

太平洋を臨む “石川啄木歌碑” 茨城県日立市

啄木文学散歩・もくじ <古房地公園の石川啄木歌碑> 古房地公園(こぼうち こうえん) 1971(昭和46)年開園 所在地 茨城県日立市大甕(おおみか)町4丁目 大甕駅は上野駅から常磐線特急で約1時間半。 石川啄木歌碑のある古房地公園は、駅前から海岸方向に1…

「啄木茶房 ふしみや」に残る啄木の手紙 大分県臼杵市 <その9 (おわり)>

啄木文学散歩・もくじ 「君は若き女にして、我は若き男に候ひけり」と長い恋文を書いた啄木。 その相手は女を装った男だった……。 かつて木造三階建の旅館「高盛屋」を購入し味噌屋の看板を掲げた あらためて石川啄木全集(筑摩書房)の日記と書簡から平山良…

「啄木茶房 ふしみや」に残る啄木の手紙 大分県臼杵市 <その1>

啄木文学散歩・もくじ 「君は若き女にして、我は若き男に候ひけり」と長い恋文を書いた啄木。 その相手は女を装った男だった……。 啄木エピソードとして有名なこの手紙を飾る、大分県臼杵市を訪ねた。 中央の木造三階建の家が「啄木茶房 ふしみや」。 老舗「…

“渋川玄耳”のふるさと佐賀県を訪ねて <その1>

啄木文学散歩・もくじ 『一握の砂』の序文を書いた“渋川玄耳”のふるさとを訪ねて 渋川玄耳といえば、朝日歌壇の選者に当時無名24歳の石川啄木を起用した人。 啄木の歌集『一握の砂』は玄耳の勧めにより始まり、刊行のときには玄耳が序文を書いた。 玄耳の祖…

「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」仙台文学館 <その5 終>

啄木文学散歩・もくじ 仙台文学館・開館15周年記念特別展 「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」 啄木の声が聞こえる 展示の最後に、テーブルがあり録音テープが聴けるようになっていた。 啄木の声は、日本音響研究所の鈴木松美所長が啄木の顔の形や骨格…

「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」仙台文学館 <その4>

啄木文学散歩・もくじ 仙台文学館・開館15周年記念特別展 「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」 啄木ゆかりの「晩翠草堂」をたずねる 入口の説明板。「晩翠草堂」は仙台駅の西1kmほど、青葉通りと晩翠通りが交叉したところにある。 土井晩翠 1871年(明…

「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」仙台文学館 <その3>

啄木文学散歩・もくじ 仙台文学館・開館15周年記念特別展 「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」 土井晩翠と啄木 [仙台文学館ニュース 第26号] 土井八枝(土井晩翠の妻) 1905年(明治38)5月、啄木は自らの結婚式に出席するために帰郷の途中、仙台で下…

「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」仙台文学館 <その2>

啄木文学散歩・もくじ 仙台文学館・開館15周年記念特別展 「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」 啄木書簡 啄木の書簡は1896年(明治29)から亡くなる年までの17年間にわたり、512通ほどが残されている。 (他の文学者と比較すると)啄木と同じ27歳の時…

「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」仙台文学館 <その1>

啄木文学散歩・もくじ 仙台文学館・開館15周年記念特別展 「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」 仙台文学館は仙台駅から4〜5 km北、広大な台原森林公園の一部にある。 常設展では、井上ひさし・佐伯一麦・伊坂幸太郎・俵万智・伊集院静など、仙台と関わ…

沖縄の啄木歌碑 那覇市 < その1 > 

啄木文学散歩・もくじ 日本最南の啄木歌碑 <動画 43秒>[那覇市 真教寺にある啄木歌碑] 沖縄県那覇市の啄木歌碑は、ゆいレール「旭橋」駅から泉崎交差点へ進み、左折して西消防署通りを海の方向へ行く道沿いの左側にある。「旭橋」駅から約700mの距離。 「…