仙台文学館・開館15周年記念特別展
「石川啄木の世界〜うたの原郷をたずねて」
啄木の声が聞こえる
展示の最後に、テーブルがあり録音テープが聴けるようになっていた。
啄木の声は、日本音響研究所の鈴木松美所長が啄木の顔の形や骨格から合成したもの。啄木没後100年を記念して、2012年に函館のNTTテレフォンサービスで流されたとのこと。
<合成音声>
「わたしは石川啄木です。死ぬなら函館で死にたい。……
これは嘘いつわりもなく正直に言うのだ……」
若くプライドのある声、明るく高い声音……。
BGMに波音が入る。コンピュータ合成音声なのに、いつのまにか啄木がそこで話しているような錯覚に襲われる。
- 土井晩翠が啄木について語ったこと
啄木が晩翠に借金したことについて
「啄木が金に困ったから、なんとかしてくれたまえと、いってきたのだから、たとえ芸者あげて遊んでいようと、そのことを、わたしがとがめる理由はないんだ。それだけだ」
(『生誕百年記念晩翠先生と夫人』 「特別展 展示図録」より)
テープには啄木の声でいくつかの歌も入っていた。
函館の青柳町こそかなしけれ
友の恋歌
矢ぐるまの花
[ヤグルマギク]
(終)
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