〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

本家 啄木の息

国際啄木学会「2011夏セミ」<その5(終)> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [大室氏の発表] 国際啄木学会「2011年夏のセミナー」2011年7月3日(日)明治大学 <研究発表 -2>「啄木の推敲意識」大室精一氏 はじめに 『一握の砂』『悲しき玩具』における推敲の前後関係を再確認しながら、啄…

国際啄木学会「2011夏セミ」<その4> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [日景氏の発表] 国際啄木学会「2011年夏のセミナー」2011年7月3日(日)明治大学 <研究発表 -1>「石川啄木が読んだ英語資料のコーパス言語学」日景敏夫氏 はじめに コンピュータが普及して調べたい事柄を検索す…

国際啄木学会「2011夏セミ」<その3> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [ママコナ] 国際啄木学会「2011年夏のセミナー」2011年7月3日(日)明治大学 <講演 -3> 「現代短歌の中の啄木」三枝※之(さいぐさたかゆき)氏(※は「昴」の「卯」の左側が「工」) (つづき)[三] 定型論から見…

国際啄木学会「2011夏セミ」<その2> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [チロリアンランプ] 国際啄木学会「2011年夏のセミナー」2011年7月3日(日)明治大学 <講演 -2> 「現代短歌の中の啄木」三枝※之(さいぐさたかゆき)氏(※は「昴」の「卯」の左側が「工」) (つづき) [二] 歌…

国際啄木学会「2011夏セミ」<その1> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [講演する三枝氏] 国際啄木学会 「2011年夏のセミナー」 2011年7月3日(日) 明治大学駿河台校舎(東京都千代田区神田駿河台) <講演-1> 演題 「現代短歌の中の啄木」 講師 三枝※之(さいぐさたかゆき)氏(※は…

啄木学級 文京シビックホール<その2 対談> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [クリ] 啄木学級「文の京(ふみのみやこ)講座」 2011年7月1日(金)文京シビックホール <その2 対談>「真の美と生命と -文学の力-」 岸井成格氏と石川啄木記念館山本玲子学芸員 ・山本 3.11をきっかけにして、…

啄木学級 文京シビックホール<その1 講演> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》 [クリの雄花] 啄木学級「文の京(ふみのみやこ)講座」 2011年7月1日(金) 会場 文京シビックホール(東京都文京区春日) <その1 講演> 「啄木の時代が来た―この震災が我々に教えてくれたこと―」 講師 岸井成格…

レポ「国際啄木学会」立命館大学(終)

[京都タワー・街の灯台] 『一握の砂』徹底討論と研究発表 窪田空穂は、「みなさんに読んでほしい歌集の第一は啄木である」ということを述べている。 空穂の作品 大正4年5月『濁れる川』 啄木の歌よみつぎつほほ笑みてあればいつしか悲しくなりぬ たぶん『悲…

レポ「国際啄木学会」立命館大学・つづき-2

4.「忘れがたき人人」を読む ・河野有時 氏 潮かをる北の浜辺の 砂山のかの浜薔薇よ 今年も咲けるや この歌は、結句「今年も咲けるや」に回想している現在の姿が映し出されることでよく知られる。回想される過去は「かつてあったが今はない」か、「今はない…

つづき・レポ「国際啄木学会」立命館大学

2.「煙」を読む ・田口道昭 氏回想歌は都市にいる自分との合わせ鏡になっている。 不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心 過去の回想が中心となりながら十五の心を見つめる現在の自分が対峙されている。 3.「秋風のこころよさに」を読む ・小…

レポ「国際啄木学会」立命館大学にて

[時計塔のある中央広場 立命館大学衣笠キャンパス] 「2010 国際啄木学会 京都大会」レポート大会テーマ「歌集『一握の砂』刊行100年への視座 2010年9月4日・5日 会場 立命館大学衣笠キャンパス 徹底討論『一握の砂』を読む 1.「我を愛する歌」を読む 木股知…

「春のセミナー」レポート

[会場の明治大学キャンパス] 国際啄木学会「2010年度 春のセミナー」レポ 記念特別講演 遊座昭吾氏 「林中」から「一握の砂」 目をあげ、蒼空を見なさい! と啄木は言う。 年若き旅人よ、何故にさはうつむきて辿り給ふや。目をあげ給へ、常に高きを見給へ。…

大逆事件と与謝野夫妻および平出修、石川啄木

[幸徳秋水が東京監獄から平出修にあてた書簡] 啄木行事レポート 「第4回 与謝野寛・晶子を偲ぶ会」 東京都杉並区荻窪 2010年4月11日 主催「明星研究会」 地図の上朝鮮國にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く 石川啄木 産屋なるわが枕辺に白く立つ大逆囚の十二…

「啄木短歌の魅力」佐野短大公開講座

【会場:佐野短期大学】 啄木行事レポート 佐野短期大学公開講座 「啄木短歌の魅力」講師 大室精一 氏 はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る 井上ひさしさんの話では、啄木短歌以前に「手を見る」歌はない。啄木の歌によって「手を見…

レポート「啄木学級 文の京講座 2009」

【シビックホールより啄木終焉の地をのぞむ】 「啄木学級 文の京講座 2009」(私的レポート) 2009年7月1日 文京シビックホール 「ふるさとの山に向ひて」新井 満 氏 全国のお坊さんが「お盆だというのに、みなさん墓参りに来ない。その理由はこの歌のせいだ…

レポート「国際啄木学会〈春のセミナー〉2009」

【神田すずらん通り】 「国際啄木学会〈春のセミナー〉2009」(私的レポート) 2009年3月29日 明治大学駿河台校舎 太田登会長の挨拶 「日本語が世界のことばの一つになっている。国際啄木学会も、啄木を愛する人に私たちの広場に入っていただいて交流の場を…

「ローマ字日記」いよいよ最終回!

【啄木歌碑の文字・上野駅構内】 「ローマ字日記」石川啄木 1909年(明治42)6月1日」と「20日間」 10 ka no Asa, Morioka kara dashita Miyazaki kun to Setsu-ko no Tegami wo Makura no ue de yonda. 予は思った:“ついに!” 妻子と離れていた生活から足…

「ローマ字日記」一生を文学に! それは出来ぬ。

【水晶】 『ローマ字日記 1909年(明治42)5月14日〜』石川啄木「二度ばかり口の中から夥しく血が出た」が、他人の就職の世話をせっせとする啄木。 二葉亭四迷の死んだことを知り金田一京助と語り合う。「互いに知り尽していると思う友の、遂にわが底の悩み…

「中原中也-啄木」中原中也記念館

【汚れつちまつた悲しみに】 中原中也記念館(山口県山口市)の展示文に「啄木」という字を見つけた。 天下の人これきけといふざまをして山に登ればハモニカ吹けり つづきはこちら→啄木文学散歩「中原中也記念館」

「ローマ字日記」この六日間予は何をしたか?…

【ホトトギス-白】 「ローマ字日記 1909年(明治42)5月7日」石川啄木限りなき絶望の闇が時々予の眼を暗くした。 予は金田一君から借りて来てる剃刀で……左の乳の下を切ろうと思ったが、痛くて切れぬ。微かな傷が二つか三つ付いた。Kindaichi kun wa odoroite…

「ローマ字日記」ここで死ぬか、ここからあがって行くか…

【ツリガネニンジン】 石川啄木「ローマ字日記 1909年(明治42)5月3日」5/3 社には病気届けをやって、一日寝て暮らした。 5/4 きょうも休む。 5/5 きょうも休む。社に行かねばならないが行けない。葛藤の中で眠れない啄木は……。 Soshite Rai-getsu wa Kazok…

レポート「石川啄木 貧苦と挫折を超えて」 

【草野心平文学館前の「石川啄木展」看板】 私的レポート 「石川啄木 貧苦と挫折を超えて」 いわき市立草野心平記念文学館 草野心平「啄木の詩に就いて」 五十年を過ぎた現在でもなほ新鮮で切実で強い迫力をもつてゐる。社会主義詩、リアリズム詩の先駆的作…

レポート「啄木学級 文の京講座」2008

【東京ドームシティのビッグ・オーとサンダードルフィン(会場の隣)】 レポート「啄木学級 文の京(ふみのみやこ)講座」 2008年7月2日 文京シビックホール 講演「啄木と京助をめぐる時代」 講師 金田一秀穂 氏 私の祖父・京助さんは、啄木という人に会えて…

「ローマ字日記」作品化への方法意識・江戸時代艶本との関わり

【『石川啄木 その散文と思想』表紙】『石川啄木 その散文と思想』池田 功 著 世界思想社 2008年 はじめに 1909年(明治42)4月3日から6月16日まで、啄木はローマ字により日記を書いた。なぜローマ字で書いたのか。 きわめて意識的な日記であり、作品化を意…

レポート「国際啄木学会〈春のセミナー〉」

【明大F23にある「岸本辰雄記念ホール」】 「国際啄木学会〈春のセミナー〉」(私的レポート) 2008年5月11日 明治大学駿河台校舎 啄木は国際詩人としてますます広がりと高まりをみせている。いくつめかの啄木ブームがやってこようとしている。 講演「新版『…

「第3回 横浜啄木の集い」開催される

【ステンドグラス・横浜市開港記念会館】 「第3回 横浜啄木の集い」 4月26日に横浜市開港記念会館で「横浜啄木の集い」が、開催された。 石川啄木横浜上陸100年の記念講演として、大室精一氏による「啄木最後の歌集『悲しき玩具』編集の謎」、「石川啄木と横…

心に残る啄木の歌「東海の小島の…」

【東海の小島?(カラスウリの種)】 <Hisao>さんから「私の心に残る啄木の歌」が届きました。 東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる 私は昭和17年4月群馬県の師範学校に入学し寮生活に入りました。 土曜日の午後や日曜日に寮内の拡声器で…

「ローマ字日記」渋民の役場の助役の息子が…

【都会(新宿)】 「ローマ字日記 1909年(明治42)5月2日」青年が、渋民から啄木を頼って訪ねてきた。啄木は給料の前借ばかりしているくせに、彼らの下宿探しをし手付金を払い、荷物運びを手伝い天ぷらをおごる。 そして、こんなことを想う。 「(彼らは)…

「ローマ字日記」浮世小路の奥、小奴に似た女を…

【ヤマボウシの実】 「ローマ字日記 1909年(明治42)5月1日」給料の前借が首尾よくいった石川啄木は…… 「行くな! 行くな!」と思いながら足は千束町へ向かった。 白い手が格子の間から出て予の袖を捕らえた。フラフラとして入った。 ああ、その女は! 名は…

レポート「啄木学級 文の京講座」東京・文京区

【啄木のクリアファイル】 レポート「啄木学級 文の京(ふみのみやこ)講座」 講演「啄木をめぐる女性たち」井沢元彦 氏 啄木は自分の結婚式に新妻を待たせたまま、すっぽかしするようなとんでもない男。 自分が女性だったら「啄木の妻になりたいですか」 つ…