2.「煙」を読む
・田口道昭 氏
回想歌は都市にいる自分との合わせ鏡になっている。
不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心
過去の回想が中心となりながら十五の心を見つめる現在の自分が対峙されている。
3.「秋風のこころよさに」を読む
・小菅麻起子 氏
父のごと秋はいかめし 母のごと秋はなつかし 家持たぬ児に
「父」「母」は「ふるさと」に換言できる。「家持たぬ児」は、根っこのない存在の自分が強調されている。この歌も歳時記によくとられていて啄木の秋の代表歌になっている。家持たぬ児・さまよひ・旅の子と根のない自分が強調され郷愁にもつながっていくと思う。
つづきはこちら→レポート「国際啄木学会」立命館大学