〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

2010-01-01から1年間の記事一覧

石川啄木 著(P.42〜43)ことさらに燈火を消して

[浅草の凌雲閣(浅草寿町)] 我を愛する歌 (P.42) ことさらに燈火を消して まぢまぢと思ひてゐしは わけもなきこと 浅草の凌雲閣のいただきに 腕組みし日の 長き日記かな <ルビ>燈火=ともしび。凌雲閣=りよううんかく。腕組み=うでくみ。日記=にき。 (P…

啄木の墓参り

[コムラサキ] 死者と自分と出会うために 新井満さん『お墓めぐりの旅』出版 私のお墓の前で/泣かないでください/そこに私はいません/死んでなんかいません 有名な「千の風になって」の翻訳と作曲を手がけた作家の新井満さんが「お墓めぐりの旅」を出版し…

講座「石川啄木その生き方と文学の魅力」新潟県十日町 12/8~2/2

[紅葉] 近代日本文学講座〜石川啄木 その生き方と文学の魅力 国民読書年記念・近代日本文学講座が12月8日から5回にわたって情報館で開催される。 講師 山下多恵子さん 場所 十日町情報館(新潟県十日町市西本町2) 申し込み 十日町情報館(電話025-750-5100…

「昴(すばる)」誕生

[紅葉の寺] 『谷村新司 ココロの巡礼「昴」30年目の真実』 放送 2010年11月5日 テレビ東京 「昴(すばる)」誕生は1980年。あれから30年。あの時なぜあの歌をつくったのか。自分の求める昴はどこにあるのか。答えを求めて中国、インド、熊野を巡る。 1980年…

『啄木と郁雨』書評

[ハナミズキ] 『啄木と郁雨』山下多恵子 著 (未知谷、2,500円) 評・本郷和人 母は願う。息子よ、ひとかどの人物となっておくれ。妻は信じる。あなたは芸術家として花開く方だもの。 不仲の母と妻、それに娘を北海道に残し、石川啄木は東京に出る。仕送りを…

石川啄木 著(P.40〜41)目の前の菓子皿などを

[見上げれば…] 我を愛する歌 (P.40) 目の前の菓子皿などを かりかりと噛みてみたくなりぬ もどかしきかな よく笑ふ若き男の 死にたらば すこしはこの世のさびしくもなれ <ルビ>菓子皿=くわしざら。 (P.41) 何がなしに 息きれるまで駆け出してみたくな…

「解説!啄木と一握の砂」1/22

2011年1月22日(土) 函館市中央図書館視聴覚ホール 【内容】啄木と一握の砂に関するセミナー型イベント

石川啄木・フォト短歌コンクール 12/10

[ダンギク] 短歌と写真でつづる わが街、函館 石川啄木"一握の砂"刊行100周年記念 石川啄木・フォト短歌コンクール フォト短歌とは 「短歌」(五、七、五、七、七の31音)と「写真」を組み合わせた作品 募集テーマ「わたしの好きなもの」 応募締め切り 201…

石川啄木の歌碑修復 盛岡

[ダイモンジソウ] 盛岡天満宮の高台 啄木の歌碑修復 盛岡市の盛岡天満宮の市街地を見渡せる高台に、「啄木望郷の碑」がある。77年前に建てられ老朽化していたこの歌碑を、有志らの手できれいによみがえらせた。提案したのは、盛岡市の産婦人科医、小林高さん…

石川啄木 著(P.38〜39)死ね死ねと己を怒り

[ホオズキ] 我を愛する歌 (P.38) 死ね死ねと己を怒り もだしたる 心の底の暗きむなしさ けものめく顔あり口をあけたてす とのみ見てゐぬ 人の語るを <ルビ>己を怒り=おのれをいかり。 (P.39) 親と子と はなればなれの心もて静かに対ふ 気まづきや何ぞ …

「ろくでなし啄木」完売

[ジュズダマ] 三谷幸喜新作「ろくでなし啄木」発売56分で完売 三谷幸喜氏作・演出、藤原竜也主演で来年1月開幕の舞台「ろくでなし啄木」東京公演の前売りチケットが6日発売され、全36公演、計3万枚が56分間で完売した。 「ろくでなし啄木」は藤原と中村勘太…

レポ「国際啄木学会」立命館大学(終)

[京都タワー・街の灯台] 『一握の砂』徹底討論と研究発表 窪田空穂は、「みなさんに読んでほしい歌集の第一は啄木である」ということを述べている。 空穂の作品 大正4年5月『濁れる川』 啄木の歌よみつぎつほほ笑みてあればいつしか悲しくなりぬ たぶん『悲…

汽車を下りしに/ゆくところなし 啄木

[ソバとキバナコスモス] リニア中央新幹線を下りて…[斜面] 〈何となく汽車に乗りたく思ひしのみ/汽車を下りしに/ゆくところなし〉。明治期の歌人石川啄木が詠んでいる。地方に鉄道が整備された時代。線路の先にあるように思えた希望が、実際は幻想にすぎな…

「石川啄木展」北海道立図書館 11/2〜12/26

[ヒバ] 「石川啄木展」 「一握の砂」出版から100年今年は、26 歳で病没した石川啄木の「一握の砂」が出版されて、100 年になります。 これにちなみ、さまざまな資料から石川啄木が北海道に残した足跡をたどります。 北海道立図書館 北方資料室展示コーナー(…

石川啄木 著(P.36〜37)空寝入生呿呻など

[ヒノキ] 我を愛する歌 (P.36) 空寝入生呿呻など なぜするや 思ふこと人にさとらせぬため 箸止めてふつと思ひぬ やうやくに 世のならはしに慣れにけるかな <ルビ>空寝入=そらねいり。生呿呻=なまあくび。 (P.37) 朝はやく 婚期を過ぎし妹の 恋文めける…

石川啄木ら「明星」系の文学者たちは、何を思い、何を考えたか

[アオツヅラフジ] 明星研究会 第4回<講演&シンポジウム> 文学者の大逆事件---<リアル>の衝撃---今年は日韓併合100年目にあたります。100年前の1910年、思想弾圧も強まり、天皇暗殺を企てたとして幸徳秋水らが検挙されました。世を震撼させた「大逆事件…

『手紙が結ぶ胡堂と啄木』あらえびす記念館

石川啄木記念館学芸員の山本玲子氏をお迎えし、胡堂と啄木の書簡をもとに、2人の交流についてお話していただきます。 2010年11月14日(日)開演13:30(開場13:00) あらえびす記念館(岩手県紫波郡紫波町彦部字暮坪193-1) 入場料 300円 要整理券 電話受付…

1世帯当たりの書籍購入額 11,449円 啄木のふるさと盛岡市

[シナノキ] 盛岡市2年連続東北一 世帯当たり書籍購入額 2009年の総務省家計調査で盛岡市の1世帯当たりの書籍購入額(雑誌・週刊誌を除く)が1万1449円と、東北6県の県庁所在地で2年連続トップになった。 2004年は全国1位になっており、本への投資を惜しまな…

レポ「国際啄木学会」立命館大学・つづき-2

4.「忘れがたき人人」を読む ・河野有時 氏 潮かをる北の浜辺の 砂山のかの浜薔薇よ 今年も咲けるや この歌は、結句「今年も咲けるや」に回想している現在の姿が映し出されることでよく知られる。回想される過去は「かつてあったが今はない」か、「今はない…

石川啄木の最晩年の年賀状公開 函館市 10/18〜4/13

函館市文学館は、北海道ゆかりの歌人・石川啄木が肺結核で死亡する3カ月前に病床から函館の友人につづった年賀状を初公開した。 公開された年賀状は、1912(明治45)年1月に函館在住の歌人仲間の岩崎正にあてたもの。「謹賀新年」の後、「今も猶やまひ癒えず…

企画展「一握の砂を示しし人」石川啄木記念館 11/1〜1/31

石川啄木の歌集『一握の砂』発刊100年を記念して,啄木の歌を立体的に表現し,見て,触れて楽しめる内容となっています。 2010年11月1日(月)〜2011年1月31日(月) 開催場所 石川啄木記念館(盛岡市玉山区渋民字渋民9) 問合せ先 石川啄木記念館(電話 019-…

啄木の姿に迫る資料群 盛岡で一握の砂100年展 〜12/19

[ガマズミ] 「一握の砂100年展」もりおか啄木・賢治青春館 石川啄木の「一握の砂100年展」は、盛岡市のもりおか啄木・賢治青春館で開かれている。一握の砂発刊100年を記念し、啄木直筆の書簡を約30年ぶりに公開。啄木の歌集を詳しく解説した見応えのある資料…

啄木と賢治、心の表現解説 盛岡で山折さん講演

第58回東北地区国語教育研究協議会岩手大会は10月15日、盛岡市で開かれ、宗教学者の山折哲雄・盛岡大客員教授が「啄木・賢治にみることばの力」と題して講演した。 山折さんは、日本の近代文学史で重要な3人として本県出身の石川啄木、宮沢賢治、山形県出身…

『啄木と郁雨』が出版  新潟日報

『啄木と郁雨 友の恋歌矢ぐるまの花』出版 本誌(新潟日報)に56回にわたって連載された『啄木と郁雨 友の恋歌矢ぐるまの花』が、このほど出版された。 わずか26歳で世を去った啄木だが、著者は『よく生きた』人と見る。 「啄木の友」としてのみ語られがちな…

コンサート 啄木「一握の砂」発刊100周年記念 11/28

「石川啄木」を歌う 小川邦美子コンサート 2010年11月28日(日) 12:30開場 13:00開演 会場:ともしび新宿店 チケット:前売り2000円(1ドリンク付き) 要予約 うた:小川邦美子、吉田正勝 ピアノ:山田剛史 お話し:碓田のぼる(新日本歌人協会) 曲目:歌集「一…

「与謝野寛・晶子と石川啄木」 さいたま市 11/21

[ハナオクラ] 第6回 「石川啄木を語る会」 -もう一度、読んでみませんか- 与謝野寛・晶子研究の第一人者としてご活躍されている逸見久美先生をお迎えし、与謝野寛・晶子研究の視点からお話しいただきます。恒例の啄木講座もやります。 2010年11月21日(日)1…

啄木を語り尽くす 雑誌「すばる」

[ヒガンバナ] ○「すばる」 2010年 11月号 集英社 880円 特集 石川啄木 『一握の砂』の出版から100年。今も根強い人気を誇る啄木を語り尽くす日本現代詩歌文学館開館20周年記念シンポジウム 『一握の砂』から100年――啄木の現在 宮坂静生 啄木の「泣く」「悲し…

「啄木歌集『一握の砂』刊行百周年を迎えて」・「啄木の交友録(17)」街もりおか

月刊誌「街もりおか」執筆 森 義真 氏 2010年9月号(No.513)〜10月号(No.514)○ 啄木歌集『一握の砂』刊行百周年を迎えて(「啄木の交友録」は、今月お休み)(2010-09) 作家の井上ひさしが「啄木の歌が日本人の心の索引(インデックス)になっている」と…

『一握の砂』100年 啄木学会京都大会 

[会場横断幕・立命館大学 敬学館] 国際啄木学会京都大会から :岩手日報 「一握の砂」100年 未来への視座国際啄木学会京都大会は立命館大学で9月4、5日の両日開かれた。「歌集『一握の砂』刊行100年への視座」をテーマにシンポジウムと研究発表を繰り広げ、…

望月善次〈『あこがれ』石川啄木〉27

[ススキ] 〈音読・現代語訳「あこがれ」石川啄木〉27 望月善次 塔影(とうえい)秋の夕べ、古く寂れた寺の大戸に持たれて塔の影をみていると、全てのものは、この塔の影と共に滅んだのではないかと思われるのです。 塔影(とうえい)眠(ねむ)りの大戸(お…