〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木を語り尽くす 雑誌「すばる」


[ヒガンバナ]


○「すばる」 2010年 11月号 集英社 880円
特集 石川啄木
『一握の砂』の出版から100年。今も根強い人気を誇る啄木を語り尽くす

日本現代詩歌文学館開館20周年記念シンポジウム
 『一握の砂』から100年――啄木の現在

  • 宮坂静生 啄木の「泣く」「悲しい」ということに共感しました。俳句の世界では真正面から詠わずに気持ちとして抑えるということなので、啄木の歌に対する感動が心の底にありながら俳句といかにかかわるかを考えています。
  • 高橋睦郎 高校生のときにかなり啄木を読んだのですが、どちらかというと反発のほうが強かったですね。どこから評価が逆になったかというと、詩ですね。
  • 三枝昂之 国際啄木学会の研究者たちは、非常に綿密な仕事をなさっている。ただ論ずるのではなくて、基礎的な資料を整理する。そういうことが本当に啄木を愛することだと思わせるような仕事です。
  • 小池光 啄木の歌と向き合うのは、自分が中年になってから。そのとき「ここに大人がいる」と思いました。26、7で亡くなった人の書いたものに、すごく大人を感じた。
  • 篠弘 『一握の砂』が出版されてちょうど今年が100年になる。しかし、100年たっても、ほんの昨日に出版されたようなイメージで、今もって広く迎えられています。


「木のけむり」石川美南
仙台、渋民、盛岡、北上と巡る旅で、ツイッターにつぶやく。「啄木は自分の結婚式のために故郷に帰る途中、仙台で下車し……、式は啄木不在のまま進められた」。
ツイッターの反応は「単なるダメな人ですね……」。
いや、でも、ダメなだけの人じゃないんですよ、……。