- 函館市文学館は、北海道ゆかりの歌人・石川啄木が肺結核で死亡する3カ月前に病床から函館の友人につづった年賀状を初公開した。
- 公開された年賀状は、1912(明治45)年1月に函館在住の歌人仲間の岩崎正にあてたもの。「謹賀新年」の後、「今も猶やまひ癒えずに告げてやる文さへ書かず深きかなしみに」と書かれた短歌が添えられている。
- この短歌は晩年の作品を集めた歌集「悲しき玩具」には未収録だが、すべての全集に収録されている。文学館の森武館長は「もっと生きて書き続けたかった啄木の思いが伝わってくる」と話す。
- 公開は、啄木の百回忌となる来年4月13日まで。
問い合わせ 函館市文学館(電)0138-22-9014
(2010-10-19、17 毎日新聞、北海道新聞)