2010-11-15 『啄木と郁雨』書評 啄木 出版物 啄木 広場 [ハナミズキ] 『啄木と郁雨』山下多恵子 著 (未知谷、2,500円) 評・本郷和人 母は願う。息子よ、ひとかどの人物となっておくれ。妻は信じる。あなたは芸術家として花開く方だもの。 不仲の母と妻、それに娘を北海道に残し、石川啄木は東京に出る。仕送りをしない(できない)啄木に代わり留守家族を養ったのが、親友の宮崎郁雨であった。 「啄木はエゴイスト」というある歌人の評価に、筆者は「疑いを禁じえ」ず、あくまでも啄木に寄り添っていく。 (2010-11-15 読売新聞>書評)