〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

2012-02-17から1日間の記事一覧

ひと晩に咲かせてみむと、/梅の鉢を火に焙(あぶ)りしが、

天声人語 2/17 今年が没後100年の石川啄木に、梅を詠んだ、どこかおかしくて淋しい一首がある。〈ひと晩に咲かせてみむと、/梅の鉢を火に焙(あぶ)りしが、/咲かざりしかな。〉。3行書きだが、改行と読点をとばして読むと三十一文字(みそひともじ)のリ…

『橋のない川』<その3> 自分の思いどおりに歌うたら、それ、やっぱり歌け。

[シードラゴン] 《作品に登場する啄木》 『橋のない川』 住井すゑ 新潮社 (つづき) <その3>ところで放課後、学級日誌を記入する孝二を、貞夫は今日も教室の片隅で待ち合わせていたが、 「孝やん、ここに、ええのがあるで。」と、歌集のとある頁をゆびさ…