学芸インタビュー
日本現代詩歌文学館の新館長 高野 ムツオさん
- 2020年幕開けとともに4代目館長に就任した。日本現代詩歌文学館の設立運動から携わる篠弘前館長の後任とあって「重責」と受け止める。間もなく震災から9年。あの日、仙台駅から歩きながら俳句をつくった。ただならぬ非日常で言葉の力をかみしめた経験を胸に、俳句界から初めて館長に就く。
- 館長として日本の文学、詩歌をリードするのはもちろん、「たくさんの人が気軽に創作し、楽しみ、そして救われる。そういう市民の核になる施設」であることを願う。言葉の壁を超えた世界発信の夢も描いている。
- 俳句講座を開き、市民と触れ合う。子どもたちに関心を持ってもらうにはどうするか。「まずは作ること」と語る。作ってみると面白さが分かる。自身の経験と重ね合わせる。
- 石川啄木らと交流があった新体詩人の豊田玉萩を生み、文学を愛する気風が息づく北上。「ここ北上に立っているということを大事にしたい。北上市民、岩手県民、みちのくに住んでいる人たちにまずもって足を運んでもらい、詩歌の魅力に触れてもらいたい」と思いをくむ。(及川亜希子)
(2020-01-31 岩手日報)