〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

盛岡城跡に 両腕枕で寝転ぶ啄木像ができれば…

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盛岡城石川啄木歌碑 拓本

日報論壇

盛岡で広がれ「十五の心」

           千葉 正

  • 私は、小さな博物館として盛岡市に指定されている木炭博物館の館長を務めている。毎年夏が近づくと全国から多くの中学生(14、15歳)が訪れる。この子どもたちとの会話が楽しみである。
  • 中学生たちは、啄木の数ある歌の中でも「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」が最高と言う。昨年訪れた生徒43グループも、この歌が大好きだと称賛していた。それもそのはず、歌に詠まれた15歳と同年齢の彼らは、多感で、夢多き、立派な少年少女なのだ。
  • 2019年、全国では約109万人が中学校3年生に在籍している。この生徒の中に啄木愛好者がいて、城跡でわが国や自分の将来を夢に見て、人生の出発点にしてくれたならば…。16歳で上京し、26歳の若さで世を去った石川啄木も満足であろうかなとも考える。
  • 盛岡城跡の啄木石碑の傍らに、両腕枕で寝転ぶ啄木像と、小さな芝の広場が作ることができればと思う。

(2020-01-24 岩手日報