〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

いま! 啄木を「素人の目」・「新しい視点」で学びたい

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盛岡城跡公園の啄木歌碑 新しく建て替えた教育会館の高さを抑えたため 後ろの岩手山が半分見えるようになった(撮影 山田武秋さん)

いま この人

啄木「素人の目」で学ぶ 

 国際啄木学会 盛岡支部長 山田武秋さん

  • 昨年10月、歌人石川啄木の名を冠した唯一の学会「国際啄木学会」の盛岡支部長に就任した。「『学会』という枠にこだわらず、広く門戸を開いていきたい」と意欲を語る。
  • 東京で出版社を経営していた2008年、啄木関連の書籍を編集したことが、啄木にのめり込むきっかけだった。啄木関連本を多く手がけ、昨年は4冊出版した。「学者ではない『素人の目』があるからこそ、従来と異なる着眼ができるのかも」と自己分析する。「『プロ』が考えつかない新しい視点を愛好者が持っていることもある。それを謙虚に学んでいくことが、これからは求められると思う」

 < こころよく/我にはたらく仕事あれ/それを仕遂げて死なむと思ふ >

  • 啄木は生前、高い志を持って懸命に努力し、地獄のような経験を経て復活した。「啄木の作品は『自分で自分を教育する』ための教科書として有効だと思う」と語る。
  • 学会の会員は国内外に約200人。北海道、東京、関西、韓国、台湾などにも支部があるが、啄木の出身地にある盛岡支部の存在はとりわけ重要だ。
  • 「月例会」では会員以外の参加も歓迎し、ざっくばらんな雰囲気で語り合えるような場所作りを目指す。4月13日の啄木忌前日の12日に「前夜祭」を主催・運営している。活動の根底にあるのは、「みんなで啄木への共感の輪を広げていきたい」という思いだ。(久保健一)

    * 月例会への問合せは山田さん(019・613・2349)へ。

(2020-02-03 読売新聞岩手版)