[ユズリハ]
<風土計> 岩手日報
- 石川啄木が詠んだ「ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく」。望郷の念を誘う停車場は東北本線上野駅で、東北から東京への玄関口。その役割は長い間続く。
- そして今、玄関口となっているのは東京駅だ。啄木の歌が発表された1910(明治43)年、東京駅は建設途上にあった。新橋−上野間を結ぶ路線の中間の大停車場として08(同41)年に着工した。
- 今も誇れるデザインとなったことには県人が大きく関わった。盛岡市出身の建築家葛西萬司は、師匠の辰野金吾とともに設計。鉄道院総裁に就いた奥州市出身の後藤新平が、帝都にふさわしい巨大駅舎とするようハッパを掛けたという。
(2014-12-20 岩手日報)
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