2011年3月11日、東日本大震災による大津波は、地域の文化を支えてきた文化財にも甚大な被害をもたらしました。震災後、東京国立博物館は、陸前高田市立博物館、岩手県立博物館やその他の機関と協力し、被災文化財の再生に取り組んできました。本展覧会では、これまでの約4年にわたる成果と現状を紹介し、被災文化財再生への取り組みをお伝えします。
- 主な展示資料
石川啄木歌碑拓本(いしかわたくぼくかひたくほん)
金田一京助筆
昭和時代・20世紀
岩手・陸前高田市立博物館蔵
岩手県出身の歌人、石川啄木の歌碑の拓本です。石碑は、大津波により流失してしまったため、拓本は碑文を伝える貴重な資料です。表具も含めた全体が塩と汚泥にまみれ、糊浮きが進んでいました。本紙を安定化処理の後、現在は全ての拓本の本格修理が進められています。
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