2010-09-17 石川啄木 著(P.30〜31)大いなる彼の身体が 『一握の砂』東雲堂版 [コスモス] 我を愛する歌 (P.30) 大いなる彼の身体が 憎かりき その前にゆきて物を言ふ時 実務には役に立たざるうた人と 我を見る人に 金借りにけり <ルビ>身体=からだ。うた人=うたびと。 (P.31) 遠くより笛の音きこゆ うなだれてある故やらむ なみだ流るる それもよしこれもよしとてある人の その気がるさを 欲しくなりたり <ルビ>笛の音=ふえのね。故=ゆゑ。