「一握の砂」の背景
市民講座 講師 山本玲子さん
- 一握の砂という言葉について山本さんは「啄木の叫びや希望、主張など心の内側を総称した暗号のようなもの」と定義した。
- 啄木が「明治の創作家中の真の作家」と高く評価する国木田独歩との関係性もひもといた。歌集名を示す歌「頬につたふ なみだのごはず 一握の砂を示しし人を忘れず」の直前にある冒頭歌は、独歩の訃報を知ったその日に作歌したと指摘。「心の内側をはき出すすべを教えてくれた独歩こそが、啄木にとって『一握の砂を示しし人』だ」と締めくくった。
(2018-11-29 岩手日報)