【社説】東京新聞
週のはじめに考える 人生の成功は才能?運?
- 大リーグで大谷翔平選手が、将棋界では藤井聡太六段が、大活躍です。成功をつかみ取るのは、彼らのような優れた才能を持つ人だけなのでしょうか。才能があれば成功するのでしょうか。
- 明治時代の歌人石川啄木に「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ/花を買ひ来て/妻としたしむ」という歌があります。才能があっても、うまくいくとは限らないようです。
- では、成功している人はみな、優秀な人たちなのでしょうか。
- 結論は「最も裕福な人々は(ある程度の才能はあるものの)最も才能のある人ではなく、最も幸運だったのだ」でした。
- ノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士は、「誰に対しても偶然はゴロゴロ転がっている」と語っています。「偶然に気付き、偶然をものにできる」ように準備することが求められます。
- 今春、就職や入学した人の中には「友がみな…」と歌った啄木のような気分の若者もいるかもしれません。「チャンスの神は前髪しかない。前髪をつかめ」といいます。待っているだけではだめなのです。幸運を逃さないように、顔を上げて前を見ましょう。