[フクジュソウ]
震災下でも「文化に根ざす規律」 東京滞在の米学者
ドナルド・キーン日本文化センター所長のグレゴリー・フルーグフェルダー氏
- 略奪行為も、食料を奪い合う住民の姿もみられない。震災下の日本で守られる規律は、地域社会への責任を何より重んじる文化のたまものか――。東京に滞在している米コロンビア大学の日本研究者は、大地震への日本人の対応をこう評価した。
- 同大ドナルド・キーン日本文化センター所長のグレゴリー・フルーグフェルダー氏は、11日の地震発生時は東京の国会図書館内にいた。
- 深夜になって地下鉄が運転を再開した時、きちんと列を作って待つ人々の姿に感銘を受けたという。「普段から社会的秩序と規律が守られているため、日本人は習慣通りの行動を容易に続けられるのだろう」。
- 日本文化の根底にある共同体意識は、災害のストレス下で平時よりさらに強く働いているというのが、同氏の見方だ。フルーグフェルダー氏によれば、米国人は個人主義に基づいて行動する。「日本人の場合は違う。秩序は集団や地域社会から、個々の要求を均等化するものとして発生する」と。こうした傾向は大地震からの復興に役立つかとの問いに、同氏は「ひと言でいえば、そうだ」と答えた。
(2011-03-14 CNN.co.jp)