[マンサク]
いつかに備えて /毎日新聞高知支局長からの手紙
石川啄木記念館内はメチャメチャ 資料は無事
- 16年前のあの日、大阪市内にある大阪本社の宿直室で熟睡中でした。「ゴーッ」という地鳴りをまず感じました。1995年1月17日午前5時46分。もんどり打つような未曽有の揺れに襲われます。恐怖のあまり身はすくみます。いつ終わるともわからないくらい異様な長さに感じました。
- 私が阪神大震災の大被害を確信したのは間もなく届いた1枚の写真でした。高架の阪神高速道路が横倒しになっていたのです。背筋を冷たいものが走りました。
- (当日夕刊1面の)見出しは「死者439人 不明580人」「近畿で大地震 M7・2」。死者はその後、6434人になりました。
- 11日に発生した東日本大震災の被害が心配されます。Mが「9・0」に上方修正され、世界最大級の巨大地震と判明しました。
- 旧知の石川啄木記念館(盛岡市)の山本玲子学芸員にメールで安否を尋ねると、すぐに返信がありました。岩手県内陸部は震度6弱です。12日夜に電気と電話がようやくつながり、「生きているだけでありがたいと思っています」。食料がいつ尽きるか心配なようです。同館内はメチャメチャで、しばらく休館になります。貴重な資料が無事なのが救いです。
- 16年前の激しい揺れでさえ、普段はその怖さを忘れてしまっています。被災体験の継承や共有、家庭内での防災への備え、学校や住宅の耐震化など、高知県に住む私たちは「いつか」に心も物も備えなければなりません。【高知支局長・大澤重人】
(2011-03-14 毎日新聞>高知)
石川啄木記念館のHPより
- 東日本大震災の影響により、現在記念館を一時閉館させて頂いております。
- また、配送業者の休業に伴い、記念館ショップの運営を一時中止しております。皆様には大変なご迷惑をおかけ致しますが、どうぞご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。