2010-07-06 石川啄木 著(P.6〜7)砂山の裾によこたはる流木に 『一握の砂』東雲堂版 [つらぬきとめぬ玉] 我を愛する歌(P.6) 砂山の裾によこたはる流木に あたり見まはし 物言ひてみる いのちなき砂のかなしさよ さらさらと 握れば指のあひだより落つ <ルビ>裾=すそ (P.7) しっとりと なみだを吸へる砂の玉 なみだは重きものにしあるかな 大という字を百あまり 砂に書き 死ぬことをやめて帰り来れり <ルビ>帰り来れり=かへりきたれり