南風録 【南日本新聞】
- <ふるさとの山に向ひて言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな>。岩手県生まれの石川啄木は、故郷への尽きない思いを万感を込めて歌った。
- 啄木に限らず、生まれたり、育ったりした場所や環境には、人それぞれの原風景があるだろう。家族や仲間も待っている。そんな故郷の空気に浸れば日ごろの疲れも吹き飛ぶに違いない。
- 鹿児島の空と陸の玄関口にはきのう、大きな荷物を抱えた家族連れらが次々と降り立った。3年ぶりに行動制限のない年末年始である。旧友と再会したり初詣に出掛けたりと、人出は昨年より増えそうだ。
- これまで波が収まったかと思えば次が来るという繰り返しだった。そんな状況を笑い飛ばす昨年の創作熟語の最優秀作「七菌八起(ななころなやおき)」には励まされた。来年は卯(う)年。「卯顔一笑」となりますように。
(2022-12-30 南日本新聞)
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