《 いまだから 》
♬ mapで楽しむ「啄木の足跡めぐり」<19>北海道釧路市 52
52 浦見八丁目 葡萄色の 古き手帳にのこりたる
葡萄色の
古き手帳にのこりたる
かの會合の時と處かな
啄木
所在地 釧路市浦見8-2先
建立 1990年(平成2)11月8日
【歌意】えび色の古い手帳に残っている、彼女との人目を忍ぶあいびきの時と処であることよ。
【観賞】初出「東京朝日新聞」明治43年5月7日号。「手帳の中より」五首中の一首。紅燈の巷に出入りした釧路時代の思い出を歌ったもの。「會合の時と處」になまめかしい女たちとの過去の思い出が走馬燈のように浮かび上がる。啄木が「釧路新聞」に連載した「紅筆だより」はこのあいびきの思い出の背景となる釧路花界の動静を伝えて興味深い。
(「石川啄木必携」 岩城之徳・編)
マップでは中央にある「しゃも寅の井戸」の右の道のところに歌碑がある。
ストリートビューでは、「しゃも寅の井戸」の半丸形の石が左にある。
車の奥に四阿が見え、その屋根の下が「しゃも寅の井戸」になる。
右に写っている石碑は啄木歌碑の裏側。