〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

〈 ひと処、畳を見つめてありし間の その思ひを、妻よ、語れといふや 〉 啄木

ミツマタ

畳の短歌 きょうは“畳の日”

【日めくり短歌】斎藤茂吉 石川啄木 土屋文明

石川啄木の歌

 

  手も足も室(へや)いっぱいに投げ出してやがて静かに起きかへるかな

畳は出てこないのですが、もちろん、ベッドがあったわけではありませんので、この時代、この歌を思い浮かべようとすると,畳の上に寝転んだ作者が浮かぶでしょう。

 

  ひと処、畳を見つめてありし間の その思ひを、妻よ、語れといふや

「語れといふや」は、「その思ひ」を「語れというのか」との問いかけです。啄木の心中には、悲痛なものがあったに違いありません。

(2022-04-29 短歌のこと)

 

畳の短歌 きょうは”畳の日”【日めくり短歌】斎藤茂吉 石川啄木 土屋文明