〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

函館にも住んでいた石川啄木の歌「ふるさとの 訛なつかし…」

f:id:takuboku_no_iki:20220105160730j:plain

雪姫 原種系スイセン

函館駅120年の人生劇場 岐路の出発点、運命の最終地点…

函館駅は始発駅で終着駅、陸の駅であるとともに、かつては海の駅でもあった。開業から今年で120年。人生の岐路の出発点、運命の最終地点として、どれだけの人がこの場所に立ったのだろう。

  • 函館市海岸町に初代駅舎が完成したのは1902年(明治35年)。木造平屋の簡素な建物で、暫定的な駅との位置づけだった。現在の駅舎は5代目になる。
  • 明治期の詩・歌人で函館にも住んでいた石川啄木の歌で、東京・上野駅の歌碑に残る「ふるさとの 訛(なまり)なつかし 停車場の 人ごみの中 そを聴きにゆく」。自身の故郷東北から上京してきた人たちを見かけた上野駅での一コマとされるが、北海道の玄関口でもあった函館駅でも同じように故郷の人の言葉に触れ、ふるさとに思いをはせていたのかもしれない。
  • 函館駅をドラマチックにしたのは、青函連絡船の存在がある。青函トンネルの開通により88年(昭和63年)、青函連絡船の運航が終わり、北海道と本州は陸路でつながった。
  • 30年度末に予定する北海道新幹線幌延伸に伴い、函館駅を始点とした並行在来線JR北海道から経営分離され、駅の運営もJRから離れる。駅舎の姿も変わったが、役割もまた様変わりしながら、120年の歴史を刻む。(徳永仁)
    (2022-01-02 北海道新聞

 

函館駅120年の人生劇場 岐路の出発点、運命の最終地点…:北海道新聞 どうしん電子版