「避戦のリアリスト・米内光政」(上)広い視野で国を守る
米内光政(よない・みつまさ)
- 首相や海軍相を務めた盛岡市出身の米内光政(1880~1948年)は75年前、アジアと太平洋で膨大な命を奪った戦争の終結に尽力した。今年は生誕140年、首相就任80年。「避戦」を求めた戦時指導者の足跡をたどり、現代にも通じる危機下の政治リーダーの資質を探る。(盛岡総局・片桐大介)
- 副読本づくりに携わった元小学校教員吉丸蓉子さんは「当時としては人権意識が高く、世界を見る目を持っていた。他国の人をさげすむことはなかったのだろう」と指摘する。米内は、中国への侵攻に関する「支那(しな)(中国)の侮日抗日の熾烈(しれつ)なる…その非は支那側に独(ひと)りありというべからず」との手記や、日本による朝鮮半島の植民地支配について案じた友人宛の手紙を残した。
(2020-12-14 河北新報)