南風録
- <ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく>。東京で暮らしていると、石川啄木のように郷愁に駆られてお国言葉を聞きたくなることがある。
- サッカーJ3鹿児島ユナイテッドの試合観戦もそうだ。首都圏である試合でアウェー席に陣取れば、懐かしい鹿児島弁やカライモ標準語が耳に入ってくる。県出身者やはるばると駆け付けたサポーターが大半だろう。不思議な一体感に包まれて心地いい。
- ところが、今季戦っているJ3は首都圏のチームが二つしかなく、観戦機会が減ってしまった。新型コロナウイルス対策で声援を送ることが禁じられている。ホームであと2試合が残っている。心おきなく声を張り上げて応援できる来季を信じて、首都圏のファンも健闘を祈っている。
(2020-12-11 南日本新聞)