〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木書簡 啄木と友人の深いつながりを示す資料

f:id:takuboku_no_iki:20200229160149j:plain

アオキ

啄木の書簡を入手 盛岡・森さん

  • 盛岡市石川啄木研究家の森義真さんは、啄木が友人の伊東圭一郎に宛てた書簡を入手した。同市の岩手日報への就職を仲介しようとしたがうまくいかず、そのことをわびる内容とみられる。啄木と友人、深いつながりがあったことが知られている岩手日報との関わりを示す資料だ。
  • 書簡は「石川啄木全集」(未収録)。毛筆で「(前略)日報社の方、とても今の場合匆急の間に合ひ難し。まにあはざりしは、生の力足ふざるがためか、はた事情の許さざるためか。生は知らず。ただ兄の廣き心の我を許されん事を望むのみ。(後略)」などと記され、「八月九日 啄木生」との署名が入る。
  • 伊東は高等小学校時代からの啄木の同級生。盛岡中学では共に英語を自習する「ユニオン会」を組織するなど、親友と言える間柄だった。
  • 森さんは国際啄木学会理事で盛岡市石川啄木記念館長。昨年末、東京の古書店から紹介され、書簡を購入した。

(2020-02-29 岩手日報