啄木 辛苦にじむ直筆手紙
- 盛岡市出身の歌人、石川啄木が妹に宛てた直筆の手紙や啄木の写真などが18日、同市に寄贈された。資料は石川啄木記念館で来年2月に公開される予定で、同館は「生活に困窮し、病に苦しんだ啄木の気持ちがにじむ貴重な資料だ」としている。
- 寄贈したのは、神戸市の三浦哲朗さん。啄木の妹、三浦光子の孫にあたり、資料は自宅で保存していたという。
- 啄木が腹膜炎になり、妻と母も病気に苦しんでいた12年2月のてがみでは、自身の体調不良に言及。「おれもどうもよくない」「毎日三十八度以上の熱だ」。筆を握れないほど弱った啄木が、友人に代筆してもらった最後の手紙もある。その手紙が書かれた3週間後の12年4月、啄木は亡くなった。
- 三浦さんは6年ほど前から資料の寄贈を考えていたという。昨年1月、石川啄木記念館の森義真館長と出会い、託すことを決めたという。森館長は、「資料から、啄木の息吹を感じてもらえれば」と話していた。
(2020-02-21 読売新聞)