〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

若者には人気の一首 <友がみなわれよりえらく見ゆる日よ…> 啄木

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新生面

  • 自分が育った国や地域を愛することができるのは幸せなことだ。その象徴として、独立記念日革命記念日を持つ国もある。日本では2月11日を「建国記念の日」として祝う。先の戦争前は紀元節と呼ばれていた。ただし、その由来は初代天皇である神武天皇の即位日とされ、明確な史実はない。
  • 今の世界は、グローバリズム経済の嵐が吹き荒れ、貧富の格差は増し移民層との対立が激しい国もある。そこに住む人たちに一体感があるとは思えない。
  • 早春の祝日。のんびりと植木市をのぞいてみたい。<友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひきて妻としたしむ>。前半部分には貧乏に悩んだ啄木らしい自虐も感じられるが、現代の若者には人気の一首という。共感を呼ぶのだろうか。後半の「花を買ひきて…」は、ほっこりとして暖かい。

(2020-02-11 熊本日日新聞

 

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