〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木歌碑 10周年記念木柱除幕式 短歌入賞作品

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啄木父子歌碑 建立10周年記念

記念木柱除幕式 啄木父子の歌碑 高知駅

啄木父子歌碑建立10周年を記念して、歌碑敷地内に「記念木柱」を設置し除幕式を行った。

(撮影 岡林一彦さん[石川啄木父子歌碑建立10周年記念行事実行委員会])

 

 

石川啄木父子歌碑」建立10周年記念短歌大会

入賞作品

◎一般の部

 〇佳作

新駅舎鯨ドームに降り立ちぬ啄木父子の歌碑の除幕日 永田エミ

君が植ゑし枝垂桜は天を地を人を繋ぎて里を守れる 竹村咲子

野菜売りて少年兄が求めきし啄木歌集にてうた知りそめき 大岸由起子

潮引きて模様尽しの砂日傘羽化するごとき水はねる児ら 蛭子泰明

啄木の歌口ずさぶ小学生かるた大会明日にひかへて 稲垣貞男

沖縄の明日をめぐりていさかいし父子の日々の悲しき記憶 真栄里泰山

白骨の猫の口より伸びている柿の二葉が真夏を叫ぶ 栗山文子

DDT害虫みたいにかけられて眼だけ笑った終戦の日々 北島清子

仏前の眼鏡は今朝も光りおり私のこころを透かし見る如 鹿島節子

二歳児が一歳の子の鼻汁を指してちり紙保母に渡せり 中平妙子

 

 〇特別賞
渋民の郭公の声は遠けれどやさしく届け土佐のよさこい 上田純子


 〇優秀賞
日盛りを背にし植田を這うごとく農夫はひとり補植しており 岡村霧子

子の袴縫ひくれし手もはかなくて姑の一匙わたくしの掌に 町耿子

画用紙に大きく顔が描かれて肌色クレヨン足りぬ父の日 山下和代

亡き後に生まれし孫がよちよちと爺の写真にこんにちはする 多田睦代

一匙のために大きく口を開けこの世の味を確かめる吾子 三津山智香

 

 〇最優秀賞
少年兵除隊で降りし高知駅五丁目までの焦土歩きぬ 石元雄早夫

 

 

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記念木柱

 

 

 

 入賞作品 (つづき)

◎学生の部

 〇学校奨励賞

 高知県香美市立鏡野中学校 
 茨城県立結城第二高等学校
 岐阜県立吉城(よしき)高等学校  
 岐阜県立飛騨神岡高等学校 


 〇佳作
本を読みぱらぱらめくるそのたびに私の好きがふえていく 川村紗也

沖縄の青く輝く海をみてどこか切ない帰りのバス 岡本瑞穂

青春の名残りといえばきれいです晩夏光という言葉大好き 新立東ミカエル

今日もまた友と立ち寄る駄菓子屋で三ツ矢サイダー一気に飲んだ 宮田萌

炎天に活き活きと咲くペチュニアは微笑みかける母さんに似て 大根田健吾

教室にひたすら響くペンの音クラスメートは四人だけれど 長優斗

登下校山脈清き飛騨の里青春の日々青く彩る 水田有香

分かってるやらねばならぬわかっている課題提出締切り迫る 大下未希也

吉城(よしき)坂毎日上る坂なのに今朝はなんだか長く感じる 清水魅良

演劇の役は何にもセリフがないひぐらしさえも鳴かんとしてる 上ケ平渚


 〇特別賞
夏休み海へプールへ川にいくスイカを食べておなかいっぱい 宮地湊司

 
 〇優秀賞
花メダル踊り子みんなの目標だ心はずませよさこいよさこい 宮地夏凜

夕立に雨宿りしたコンビニの窓に映った筑波嶺の虹 田崎菜緒

夕暮れて山が陽をのむ我家から期待どおりの匂い漂う 田上雷

「ただいまぁ」と言ったとたんにばあちゃんの差し出す手には小豆アイスだ 坂上爽太

鉢巻をキリリと締めて鉋する飛騨の匠の私の祖父よ 薄田結菜

 

 〇最優秀賞
恋なんてどうでもいいと吐き捨てた風が嘘だと言った気がした 守山拓

 

 

 

 

 

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除幕式

除幕式 2019年9月14日 午前10時

高知・岩手両県知事らのメッセージも披露された。