◎啄木文学散歩・もくじ https://takuboku-no-iki.hatenablog.com/entries/2017/01/02
四万十市「幸徳秋水碑」から 高知市「石川啄木碑」へ <3>
幸徳秋水資料室 つづき
大逆事件を報道する新聞
「大逆事件の真実をあきらかにする会 ニュース」
下段の広告には岩波文庫の「麵麭の略取」などが載っている。
外国での抗議運動
イギリスやフランスの抗議運動を記したページ。
「杉村楚人冠宛の針文字書簡」
管野須賀子
爆弾事件ニテ私外三名
近日死刑ノ宣告ヲ受ク
ベシ御精探ヲ乞フ
尚御幸徳ノ為メニ弁ゴ士
ノ御世話ヲ切ニ願フ六月九日
彼ハ何ニモ知ラヌノデス
『針文字から浮かぶ真実』
幸徳正夫
税理士・社会保険労務士、秋水の兄駒太郎直系曾孫
1942年中村市京町生まれ
- この針文字書簡は、大逆事件で処刑された社会主義者ら12名のうち唯一の女性管野スガ(須賀子1881〜1911)が同じく処刑された幸徳秋水の救済を求めて、獄中から密かに朝日新聞記者杉村楚人冠(筆名縦横、1872〜1945)に送った針穴でつづった半紙の秘密書簡である。
- この書簡が杉村の我孫子市の旧宅の居間にある書棚から見つかり、2010年1月29日毎日新聞夕刊に掲載されたことは、記憶に新しい。しかし、100年間も極秘に保管されていた原本を見た驚きは格別のものがあった。
- 書簡は当時の検閲を免れるために白紙に針で細かい穴が開けられており、光にかざすと文字が浮かぶようになっている。
「大逆事件サミット in 新宮」 秋水通信 第25号
- 啄木は東京朝日新聞社校正係の時、事件に異常なほどの関心をもち、短歌の同人平出修弁護士を通して事件の本質に迫っていく。事件関連の詩歌、評論等も多く書き残した。死ぬ一年半は事件に没入した。
- 大逆事件百年の2010年から翌年にかけて名誉市民への取り組みを行ったが、「請願」が市議会の賛成を得るに至らず、いったん頓挫した。
- しかし、地道な運動を継続した結果、2017年12月議会で条例改正による「議員提案」が可決された。そして今年(2018年)1月24日大石刑死の日に遺族に名誉市民証が授与された。
(秋水通信 第25号 2018.12.3 幸徳秋水を顕彰する会)
(つづく)