〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木はこんなにも 長く深く広く 人をつなげる人でもあった

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[サクラ]

 

ばん茶せん茶 [岩手日報]

啄木忌に寄せて

  • 今年もまた啄木忌がめぐってきます。16年前、渋民に縁のある者3人で啄木終焉の地である東京都小石川区を訪ね、以来一度も欠かすことなくこの地を訪れ、しのぶということをしてきました。
  • 3人のうちの1人と私は渋民中学の同級生。もう1人の方はお母上が渋民出身とのこと。この2人は高校で同じクラスとなり、以来啄木の縁で60年の長きにわたり交流を続けてこられたのでした。
  • 昨年の4月13日、私は1人でその地を訪れていました。2人とも病状が楽観できない状況であることを伝え聞いてはおりました。そしてお二人とも、啄木忌を見届けるように、同じ4月に旅立ってしまったのです。
  • 年が明け2月21日の日報記事に、盛岡駅前の滝の広場に「文京区・盛岡市 友好都市提携記念碑」が建ったことが載りました。草葉の陰の啄木さんに知らせるすべはないものかと思ってしまいました。啄木は、こんなにも長く深く広く、人をつなげる人でもあったんですね。
  • 次回帰盛の折には、滝の広場のその碑をぜひ見たいと、今から楽しみにしているところです。

(柴田和子 千葉県流山市、76歳)

(2019-04-10 岩手日報