〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

<友がみなわれよりえらく見ゆる日よ…> 啄木

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[ムラサキツクバネカズラ]

今週の本棚・本と人

『こころ傷んでたえがたき日に』 著者・上原隆さん

しんどさ抱え生きる姿に共鳴

 印象深い書名は、石川啄木の歌集『一握の砂』から採った。赤貧のうちに短い生涯を閉じた歌人は晩年、『時代閉塞(へいそく)の現状』を憂えて、理想実現に向けた「明日の考察」を訴えた。

 それから109年。現代にも同様の空気が漂ってはいないか。

 <友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ>

  上原隆(幻冬舎・1728円)


(2019-02-10 毎日新聞

 

今週の本棚・本と人:『こころ傷んでたえがたき日に』 著者・上原隆さん - 毎日新聞