〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 啄木・賢治・太宰「働けど、雨にも負けず、すみません」とかなんとか


[アジサイ]


天窓
  「東北文学の御三家」

  • 太宰治没後70年の連載を終え、分からなかったのは賢治との関わり。賢治37歳の没年に太宰デビューし38歳まで生き、作家としては入れ替わりの人生だった。賢治は太宰こと津島修治を知らなかったはず。
  • しかし太宰と賢治は実家と父への畏怖や特権階級の原罪意識など、実に似ている。啄木との相似とはまた別の面で。だから啄木・賢治・太宰の御三家を北東北でもっと結びつける工夫があっていい。
  • 少し古い数字だが太宰の新潮文庫の販売累計は代表作だけで1150万冊に達するという。賢治の本も同じくらい売れているはず。さらに啄木を足せば、2千万から3千万人が義務的でも一度は3人の文学に接していることになろう。
  • ここから大きな観光需要を掘り起こせる。「働けど、雨にも負けず、すみません」とかなんとか、うまく観光キャンペーンを仕掛けては。

(2018-06-22 盛岡タイムス)


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