〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 漱石朝日入社の2年後 啄木が入社 在社中歌集「一握の砂」出版


[ビル前の石川啄木歌碑]


時を超え、装い新たに 東京銀座朝日ビル、完成

  • 高級ブランドや老舗の店が軒を連ねる東京・銀座の並木通りに「東京銀座朝日ビルディング」が完成し、19日に竣工(しゅんこう)式が開かれる。11月から来年1月にかけてホテルやショップが順次開業する。情報・文化の発信地として歴史を刻んできた街が、時を超え、装いも新たに生まれ変わる。
  • 3〜12階に入るホテルは、来年1月に開業する「ハイアット セントリック 銀座 東京」。平均で1泊4万円台を想定している。12階にある最上級の「ナミキ スイート」は、汐留まで望めるテラスやキッチンダイニングもあり、パーティーなどにも使える。
  • ビルの1、2階はメゾネット式で、並木通りで流行を牽引(けんいん)してきたショップが入る。「ロレックス ブティック レキシア 銀座並木通り本店」「ルイ・ヴィトン銀座並木通り店」「サンモトヤマ銀座本店」など。


朝日新聞「東京創業の地」 漱石・啄木も勤務

  • 東京銀座朝日ビルの敷地は、朝日新聞が東京で創刊した年に社屋を構えた「東京創業の地」でもある。当時、二葉亭四迷夏目漱石石川啄木といった文豪や歌人たちが次々と朝日新聞に入社。ここで働いていた。
  • 夏目漱石は1907年、東京帝大と一高の講師を辞めて入社。漱石入社の2年後、石川啄木が校正係として入社。在社中に歌集「一握の砂」を出版した。社内の様子を詠んだ「京橋の滝山町の新聞社 灯ともる頃のいそがしさかな」の歌碑は今もビル前の歩道に立っている。(この特集は野口陽が担当しました)

(2017-10-19 朝日新聞

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