〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 「このひとなら啄木も好きになりつらむいふことごとにみなよかりけり」金田一京助


[アジサイ]


「恋人」芸者 啄木思う遺品 [岩手日報]

  • 明治期の歌人石川啄木(1886〜1912年)が北海道釧路市で新聞記者として働いていた時期に親交があった芸者の遺品29点が釧路市に寄贈された。芸者は「小奴」の名で働いていた近江ジン(1890〜1965年)。啄木の恋人だったとの説もある。釧路啄木会の北畠立朴(りゅうぼく)会長が、遺族らから品々を託され内容を調査していた。
  • 啄木の親友だった言語学者金田一京助(1882〜1971年)が自作の短歌を近江さん経営の旅館に宿泊したお礼に贈ったもの。近江を念頭に「このひとなら啄木も好きになりつらむいふことごとにみなよかりけり」と詠み「啄木のくらき生涯にぽっかりと灯を点じたる釧路のまちかな」と記した。
  • 来年2月、同市に新設される「釧路文学館」で所蔵、展示される。

(2017-06-27 岩手日報