2017-05-22 金田一は石川啄木のうそを暴くより、紙背に潜む誠をかぎ分けた 啄木 広場 [ユリノキ] 「くろしお」[宮崎日日新聞] 「紙背に潜む誠」 受けた方もあきれただろう。年始、端午、暑中、寒中、お祝い申し上げ候、お見舞い申し上げ候…。江戸時代の狂歌師大田南畝は手紙一通で1年のあいさつの全てをすませた。 「こんな横着な季節の手紙はいけない」と中川越著「文豪に学ぶ手紙のことばの選びかた」で紹介している。 石川啄木は、親友金田一京助にうそだらけの借金の依頼状を書いている。啄木のうそは有名だったが、金田一は依頼にこたえ、啄木は第一詩集を出版できた。同書は「金田一は手紙のうそを暴くより、紙背に潜む誠をかぎ分け共感したのだろう」と分析している。 6月1日からはがきの郵便料金が52円から62円にアップする。 (2017-05-21 宮崎日日新聞) 記事