〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 金田一は石川啄木のうそを暴くより、紙背に潜む誠をかぎ分けた


[ユリノキ]


「くろしお」[宮崎日日新聞]

 「紙背に潜む誠」

  • 受けた方もあきれただろう。年始、端午、暑中、寒中、お祝い申し上げ候、お見舞い申し上げ候…。江戸時代の狂歌大田南畝は手紙一通で1年のあいさつの全てをすませた。
  • 「こんな横着な季節の手紙はいけない」と中川越著「文豪に学ぶ手紙のことばの選びかた」で紹介している。
  • 石川啄木は、親友金田一京助にうそだらけの借金の依頼状を書いている。啄木のうそは有名だったが、金田一は依頼にこたえ、啄木は第一詩集を出版できた。同書は「金田一は手紙のうそを暴くより、紙背に潜む誠をかぎ分け共感したのだろう」と分析している。
  • 6月1日からはがきの郵便料金が52円から62円にアップする。

(2017-05-21 宮崎日日新聞


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