「啄木 賢治の肖像」
① 誕生〜幼少期
親の愛情、期待一身に
- 長女サタ、次女トラに続く待望の男児は、一(はじめ)と名付けられた。姉妹に囲まれて育った啄木は、両親から特別にかわいがられた。「兄のわがままは、夜夜中でも『ゆべし饅頭』がほしいといいだすときかないで、家じゅうを起こしてしまう」と妹の光子。「母などは私達をそっちのけにして弟ばかり可愛がるので、幼な心にも不平だった」と姉のトラ。
- 後年貧苦の道を歩む啄木だが、幼少期は寺の「お坊ちゃん」として伸び伸びと育った。渋民尋常小の卒業時には首席の成績をとり「神童」と呼ばれていた。当時、よほど向学心が強いか裕福でなければ進学出来なかった時代、盛岡高等小学校(現・下橋中)に入学。優秀な成績で卒業した我が子に対する両親の愛情や期待が感じられる。
(① 誕生〜幼少期 おわり)
(2016-01-06 岩手日報)
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