〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

次回作は石川啄木! 神山征二郎監督


[ユリノキ]


「救いたい」神山征二郎監督
  被災者たちの現実追求

  • 東日本大震災の被災地を舞台に、悲しみの中で立ち上がろうという人たちの姿を描いた「救いたい」が公開中だ。「ハチ公物語」などで知られる名匠・神山征二郎監督は、心に傷を負った人たちへ優しいまなざしを向ける。
  • 映画作りの根幹はリアリティーだと考える。「要するに本物に見えるかどうか。観客がスーッとその世界に入れるよう、いつも心がけている」。今回も被災者、被災地の現実をいかに描くかに心を配った。
  • これまで、「宮澤賢治 その愛」や、野口英世を主人公にした「遠き落日」のように、実在の人物を多く描いてきた。次に考えているのは東北出身の歌人石川啄木だという。「詩人として非常な高みにいるのに、極貧。あちこちに借金し、平気で遊び歩くなんてとんでもないという評価もある。そこに興味があった」
  • 歴史上の人物を描く時も、リアリティーが重要だ。「大事なのは、啄木の生きざまや考えを役者や演出家が本当のところでつかんでいるかどうか。観客に本当に、啄木を見たような気にさせるのが、僕らの仕事です」(大木隆士)

(2014-12-03 読売新聞)
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