〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

北の書棚:福地順一・著「石川啄木と北海道」

  • 歌人石川啄木が北海道に滞在したのは1年足らずだが、元高校教師で、啄木研究者としても知られる著者は「北海道時代の生活体験なくして彼の代表的歌集『一握の砂』はありえない」と断言。北海道の啄木を、交友関係、収入から下宿の間取り、滞在時の天候まで百科全書的にまとめて浮き彫りにした。
  • 「札幌はしめやかなる恋の多くありさうなる都なり」「小樽人は歩行せず、常に疾駆す」。啄木が抱いた街の印象も豊富に紹介。道内主要書店で購入できる。問い合わせは鳥影社(03・5948・6470)。(直)(622ページ、5040円)

(2013-06-01 毎日新聞