〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木が詠んだ 盛岡中の図書庫が里帰り


[コマユミ]


啄木が盛中時代に詠んだ図書庫 移築

  • 石川啄木の歌にも詠まれた旧制盛岡中学時代の図書庫(ぐら)が、町家群の並ぶ盛岡市鉈屋町地内へ移築される計画が進んでいることが分かった。盛岡市が、東日本大震災津波前に所在していた宮古市からの移築、活用などを検討したが、頓挫。図書庫はその後、ひっそりと盛岡地域へ〝里帰り〟を果たしており、今回移築される。盛岡市まちづくり施設整備事業に採択され、今年度内に移築が完了する見込み。

  • 図書庫の移築先は市道に面し、現在修理活用事業が行われている旧藤原家町家北側の私有地。渡辺氏は選考委のプレゼンで「啄木関連の施設としては形が残っているものとして最後のもの」と説いた。

  • 図書庫は盛岡中学校の校舎が内丸にあった時代の1892(明治25)年建造の土蔵。啄木は盛中時代に「学校の図書庫の裏の秋の草 黄なる花咲きし 今も名知らず」と図書庫に関する歌を詠んだ。

(2013-06-01 盛岡タイムス)