〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木没後100年 再認識を…講演

  • 今年没後100年を迎えた函館ゆかりの歌人石川啄木を再認識してもらう文学講座が4日、函館市文学館で開かれた。「石川啄木連続講座」の第1回目。
  • 啄木研究家の桜井健治さんが講師を務めた。最初に「一握の砂」を取り挙げ、啄木が上京していた1908(明治41)年以降に全ての歌が作られた。「都会生活の哀歓を詠んだリアルな歌、故郷の盛岡や北海道を思う望郷の歌に大別できる」と紹介した。1912(同45)年発刊の「悲しき玩具」については、「困窮していた生活や自分の病気など現実を見つめたものや、政治、社会に対する鋭い洞察が見られる。『一握の砂』のような叙情性は消えている」と説明した。
  • 同講座2回目は3月3日午後2時を予定している。

(2012-02-05 函館新聞社