啄木作品に人生経験重ね作曲
新しき 明日の来るを 信ずといふ 自分の言葉に 嘘はなけれど
- 将来への嘆きや孤独の悲しさといった胸の内をさらけだす真っすぐな言葉に、寄り添うように響くピアノのシンプルな音色。白鳥さんが奏でるのは、啄木の詩や短歌に音をつけて2〜3分ほどに仕上げた曲だ。
- 知人の勧めで手に取った啄木の歌集。病苦や貧困にあえいだ末、肺結核のため26歳で早世した啄木の訴えかけるような言葉に、「『私、1人じゃないんだ』と、救われる思いだった」。
- 啄木の故郷・岩手県も沿岸部が甚大な被害に遭った。震災を機に新たに曲をつくり、秋には再び青森市でミニコンサートを開く白鳥さん。「こんな時こそ、1人でも多くの人に啄木の声を聞いてもらいたい。きっと胸に響くはず」と願っている。(岡部雄二郎)
(2011-08-08 読売新聞)