To記 Do記 「本家 啄木の息」より <5>
2003-06-13
本「間取りの手帖」を読みました。
「アレレ?」と思う間取り99件。時々出てくるコラムは、短編小説を読む楽しさ。カバーの裏には載っている全ての間取り図があります。
わたしの場合、必ず玄関からお邪魔し、頭の中で部屋を歩きまわります。
「どれか一つどうしても選べ!」と迫られたら、『No.011、ルーフバルコニーに離れのある15万円』にするか。思い切って『No.002、円形ルーフバルコニーのある仰々しい25万円』にするか悩むところ。
欲しくて本屋さんをいくつかめぐったが「売り切れです。注文待ちになります」といわれ、仕方なくネットで注文しようとしたがこちらも在庫切れ。リトル・モア出版社に直接頼んでやっと手に入れました。
2003-06-05
本「日本難民」を読みました。
「東京は焼け野原だそうですよ。・・テレビ局とかね、電波関係が真っ先にやられました。・・連合国は日本を抹殺するのが目的だなんていうけど。」と、話は始まります。時代は(はっきり書かれていませんが)今。
ヒロインは夫のいる中年女性。夫婦は人より遅れて避難を決意します。山間の廃れた旅館に着くと、同じように避難してきた数家族がいました。
食料もわずかになり、寄せ集めの人たちと壮絶にそれを分け合います。どれだけ自分の物として隠せるかは大問題。隣人関係、夫と妻の関係。そして、土地の権利書や通帳や現金の価値はゼロに等しく・・・その紙類がいずれどうなっていったかは読んでのお楽しみ。
「日本難民」吉田知子 新潮社 2003
2003-05-27
映画「風が吹くまま」を見ました。
テヘランから700キロほど離れた村へ向かって走る車。中には、TVディレクターと撮影クルー。曲がりくねって続く道に土埃。目的地の目印は「大きな木」とかいうが、どれがその木かわからない様子。でも、そこに学校を早退して迎えに来た少年が待っていました。
印象的なのは、ディレクターの問いに答える少年のコメント。少年は育った村しか知らないけれど、村を好きで祖母を敬っているのが伝わってきます。
クルーが村に来た目的もハッキリしません。ディレクターはボスの指示でしか動けず、携帯電話が鳴るたびに電波の届く高台へ慌てて車で走る姿の滑稽さ。
登場人物たちは少ない上に、ほとんど画面に顔を出しません。顔どころか声すら出てこない人もいます。しかし、姿も顔も声もないが、しっかりとそこに生きている人たちを想像する楽しみがあります。
いま目の前の景色を楽しめばいい、風に吹かれて・・・。
いいな、イラン映画。
「風が吹くまま」 Le Vent Nous Emportera
監 督 アッバス・キアロスタミ
出 演 ベーザード・ドーラニー ファザード・ソラビ
1999 フランス イラン
2003-05-01
本「与謝野晶子 童話の世界」を読みました。
六匹目の金魚を追って裏表紙へまわると、金魚はまたつながって表へ泳いでいく。つるつるのカバーを取るとそこは金魚のいない世界。カバーを掛けたり外したり、‘ユメ’か‘ウツツ’か 行きつ 戻りつ・・・。
与謝野晶子の歌はちょっと知っていますが、童話は初めてです。まず、収録されているお話から読み始めました。
「金魚のお使」
『兄さん、金魚をお使にやりませう。』えっ!金魚を?お使いに??
『さうしませう、赤をやりませう。』驚きもせず太郎さんがこう言うのです。
停車場で切符を買おうとすると、「金魚に切符は上げられない『お手がないから。』と」駅夫に断られます。じゃあ乗れないのかと思うとただで乗せてくれます。
電車がとんねるへ入ると金魚は「暗くなつたものですから夜分になつたのだと『ぐう、ぐう、ぐうぐう。』と鼾をかいて寝て」しまいます。赤と白と斑の金魚が電車に乗っている光景がたまらなく楽しいお話です。
「環の一年間」
天使のような少女環は、新年会の席で五年前に小学校の同級生だった夕月の光のような少女、林子に再会します。環は、化物屋敷と噂される家に住む林子を救おうと出かけます。入り口に立ち中を見廻すと白い紙が貼ってあり「環様・・」と書いてあります。何がはじまるのかと、ぞぞぞっとしてきました。
別の日にまた行くと、紙は跡方もなくそこに大きい時計が掛っていました。戸口から異様なものが出て来て・・。
スリラー小説を読んでいるように皮膚が泡立ってきます。
この作品の執筆中である明治45年5月に、晶子は夫寛を追って渡欧します。
「身近な人を喪うという死別の経験が、環の渡欧のきっかけとして設定されていることに留意しておきたい。」と著者は書いています。
作品の中では「国文科の羽田先生の死」なのですが、晶子を姉のように慕っていた石川啄木が明治45年4月に死去しているのは、もちろん論外でしょうね。
「倫理を始め学問技芸に到るまで其素地は家庭にあつて・・其補助として学校教育がある」という晶子の考え方。
男女を問わず「上品な立派な人間に」なることを願い、「良妻賢母を作る前に立派な娘を作れ、立派な娘を作る前に立派な人を作れ」と呼びかけた、11人の子を持つ母親、晶子。
そして、啄木と同じ空気を吸い啄木から憧れの目で見られた晶子という人に、むくむくと好奇心の湧いてくる本でした。
2003-04-28
本「ブラックジャックによろしく」1・2・3・4 巻を読みました。
研修医の目から見た「日本の医療の現実」が画かれています。
看護師が研修医の斉藤先生に“未熟児で生まれた双子の赤ちゃん”のことを語る場面があります。
- 看護師
- 同じ人間とは思えない? よく言われるの・・・そういう事・・・
- だけど甘く見ないでね・・・
- この子達・・・
- ちゃんと分かっているから・・・
- お医者さんの表情・・・
- 手のあたたかさ・・・
- 自分に対する愛情をね・・・
凄いセリフです。
TVドラマでも「ブラックジャックによろしく」が始まりました。
わたしは、「ER-緊急救命室」がとても好きです。シリーズ「 I ~ VIII 」まで、ほぼすべて見ています(VIII は放映中)。医療現場の描き方は「アメリカのがやっぱりうまい」と いつも思わされてきました。しかし、妻夫木聡さん主演のこれは、魅力的です。
発売されたばかりの「5巻」を今日買いました。
「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰 講談社 2002
2003-04-15
映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見ました。
アメリカで銃犯罪が突出している理由・・というよりも、銃犯罪を減少させるにはどうするかを追求していく男。これが監督のマイケル・ムーアです。この映画がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞し「ブッシュ大統領、私たちは戦争に反対する。恥を知れ!」と舞台挨拶で叫んだ人といえば、記憶がハッキリしてきます。
1999年、コロラド州のコロンバイン高校で、生徒2人が銃を乱射、13人を殺害した後、自殺するという事件が発生しました。国の歴史か、文化の違いか、映画やテレビか、ロック歌手に原因があるのか、その一つ一つを探ります。
アメリカ人の犯罪を恐れる姿勢は、日本人のピッキング、カム送り開錠、ワンドア・ツー(スリー)ロックなどエスカレートしていく空き巣対策とどこか似ています。
アポイントなし突撃取材の監督は、よれよれのシャツ。「もう一つ質問がある」と人気俳優チャールトン・ヘストンの背中を追い詰めていく姿は、コロンボ刑事と重なります。
タイトルは犯人が事件の朝、ボウリングを楽しんでいたことに由来するのだそうです。
これからの長い映画史にきっと残る作品だと思います。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」 Bowling for Columbine
監督・脚本・主演 マイケル・ムーア
出演 チャールトン・ヘストン マリリン・マンソン ジョージ・W・ブッシュ
2002年 カナダ
2003-02-27
映画「猟奇的な彼女」を見ました。
泥酔した女性と地下鉄の中で出会った男子学生。
“どうしてェ~?”“世話するのやめればいいのにィ~”と思っているうちに、彼は彼女の魅力に取り憑かれてしまいます。
「ぶっ殺されたい?」が口癖の彼女を好きになったのは、勢いのようなものか。それとも「恋に落ちる」と表現するくらいだから、深い穴に嵌ったか。
うねるようなリズミカルな展開。よく笑いました。
猟奇的な彼女と付き合うには・・・
・女らしさを望まない
・酒を三杯以上飲ませない
・「ぶっ殺す」って脅された時は本当に死ぬつもりでつきあう
・出逢って100日目にはバラを一本プレゼントする・・etc.
二人の遠い未来までを描いているような気もしてきます。
「猟奇的」という言葉は韓国語では「おかしな」「不思議な」「突拍子もないことをする」といった意味だそうです。『クレヨンしんちゃん』も韓国では「猟奇的」と表現するというから面白いです。
パソコン通信に掲載された恋愛話が原作ですが、リアルタイムの恋の行方は知りたくなりますね。
「猟奇的な彼女」
監督 クァク・ジェヨン
出演 チョン・ジヒョン チャ・テヒョン キム・インムン ソン・オクスク
2001年 韓国
台湾に行きました。
小さい島なのに(日本の約10分の1)ゆったりとしておだやかな風景。なんだか故郷を訪れているような気さえしてきました。
- 夜市での捕り物
- ・狭い道に人と商品がひしめきあい、とても賑わっていました。
- ・そこに警察官の姿が見えると、端から何かを知らせる声がかかりました。すると道の真ん中にシートを敷いて売っていた人たちは、品物をくるくると敷物に包み込み、近くの店先に放り投げました。キャスター付きのハンガーに洋服を掛けて売っていた人たちは、ぎっしりのお客にぶつかりながらもガーッとどこかへ押していってしまいました。
- ・ほんの数秒間で広い通路のできあがりです。本当に見事でした。道の両側の店は合法ですが、道の真ん中は、違法なのだそうです。
- どちらの桜も美しい
- ・山道できれいな日本語を話すお年寄りに会いました。「日本から来たのですか」と聞かれました。ちょうど桜の花(といっても“避寒桜”で濃い赤色の花が下向きについている)を見ていました。「桜はやっぱり白がいいです。ここ陽明山では全部赤で、白の桜は見たことがありません。」と穏やかに語ります。
- ・様々な歴史を経験して来られた方のきちんとした日本語を聞いて、わたしのココロは波立ちました。
- 美味しいお茶の“三つの条件”
- ・お茶の葉は“三つの条件”が重なると美味しくなると教えてもらいました。目立たない店の雑然としたテーブルに座って説明を聞きながら、主の入れてくれるお茶の香りをかぎ、何杯も何杯も飲みました。
- 1 土壌が新しい・・肥料ではなく土の栄養分をそのまま吸い取って育つ。
- 2 茶木が新しい・・若い木は風雨にも強く、葉も元気。
- 3 標高の高いところ・・寒暖の差が激しいと茶の葉は自分を守ろうと養分をいっぱい貯める。寒くて成長が遅いから葉は肉厚になる。
- ・この条件のお茶は、ちょっと値が高いけれど七煎、八煎出しても香りも味も出ておいしいのだそうです。
- 今の日本にはないこと
- ・台湾には満19歳の男子に対して徴兵制があります。(大学生には兵役期間が大幅に短縮されるメリットがあるが、一方、進学希望者は一年以上浪人できないという決まりもあるそうです。)
- 美食の国
- ・エビ料理がおいしい。
- ・酸辣湯…さんらーたんの酸っぱいスープにちょっとひるむがだんだん0.K.
- ・小籠包…しょうろんぽうは、皮に透明感がありたっぷり含まれたスープが熱々。
- ・白身魚の春巻きにプーアール茶で煮込んだ豚の角煮、それからそれから・・。
- ・思ったよりも辛みが強くなく、野菜料理の多いところもお気に入り。
- お寺でコーラス
- ・お経を聞く機会が何度かありました。日本と同じように経本を手に唱えます。列の中に入り込み一緒に手を合わせました。聞いていると日本のお経より豊かなメロディがあり、まるでコーラスです。みんなも結構楽しそうでした。
- チョー近!
- ・機内での映画を楽しみにしていました。ガイド本で調べると14本もあり、迷ったりしていました。離陸タイムが過ぎ“いざっ”と見始めました。すると「機内お知らせ」「機長挨拶」、そのたびに一時停止状態になり・・・「ドリンクタイム」「食事タイム」。『エーッ?着陸だって!』
- ・とうとうひとつの映画も見終わることが出来ませんでした。近すぎっ!!
2003-01-29
BOOK-2002年-勝手にベスト4(順不同)
◎夢の工房
真保裕一の初エッセイ集。作家デビュー前、アニメーションの世界で働いていたときのこと、映画『ホワイトアウト』に関わった体験談、その他、書き下ろしの短編も収録されている。
真保作品の特徴とも言える「あまり知られていない珍しい職業の人」への取材についても、著者の思いを語っている。
◎家なき鳥
著者 グロリア・ウィーラン/代田 亜香子訳
出版社 白水社
発刊 2001
刺繍が得意なインドの少女。13歳のとき、口減らしのため見知らぬ相手に嫁ぐことになった。夫は難病でわがままな16歳の少年で、結婚生活は多難である。姑の目当ても、ハリの治療に使うための結婚持参金だけ。物語は困難の連続のように見えるが・・・・。
◎十一番目の戒律
著者 ジェフリー・アーチャー/永井 淳 訳
出版社 新潮社 新潮文庫
発刊 1999
CIAの凄腕スナイパーが、外国要人の暗殺を決行する。ところがそれは、保身を図るCIA長官の策略だった。暗殺事件の陰にCIAの関与を嗅ぎ取った大統領は、長官を追放しようと事件の捜査を開始する。CIAの「十一番目の戒律」とは・・・・。
◎恋愛中毒
「・・・・いい子なふりしておいて、あとで本当は嫌だったなんていうのは逆恨みだよ、逆恨み。・・・・」
「じゃあ、もう考えるのはやめろ」
膝の上で震えている私の拳に、先生は静かに手を置いて言った。
「過去に“もしも”を持ち込むな」
2003-01-21
映画「SWEET SIXTEEN」を見ました。
性能のよくない天体望遠鏡で土星を見せる冒頭シーン。
場所は、スコットランドの田舎町。もうすぐ16歳になる少年が、小さな子どもたちにぼんやり映る土星を見せ、金を徴収しています。
少年の母には恋人がいますが、それは麻薬の売人で、そのため母は刑務所に服役中。姉は家を出て、シングルマザー。
普通のイギリス旅行では見ることのない知らない国を目撃しました。少年たちがドラッグを売り、町の人々がピザと同じように便利にドラッグを買い求めていました。
「母と一緒の家に住みたい」とこだわり続ける少年の願い。その希望が叶えられるのなら何をしてもいいのでは・・・と、つい少年を応援してしまいそうです。
主な出演者はシロウトで、少年役もプロのサッカー選手だそうです。
監督 ケン・ローチ
出演 マーティン・コムストン ウィリアム・ルアン アンマリー・フルトン ミッシェル・クルター ゲイリー・マコーマック
2002 年 イギリス
2003-01-19
CINEMA-2002年-勝手にベスト5(順不同)
◎柳と風 Beed-o Baad Willow and Wind
監督 モハマド・アリ・タレビ
出演 ハディ・アリプール アミール・ジャンファダ マジッド・アリプール ナディエ・デルシャド
1999/日本=イラン
イラン北部の村、教室の窓を誤って割った少年は先生から弁償を迫られている。「今日中に硝子を入れ替えなければもう学校へは来るな」と言われてしまう。彼は父親に頼むのだが「そもそもみんなで遊んでいたのに、お前だけが弁償するなんておかしい」といわれる。少年は何とかお金を工面して1人で硝子を買いに出かけるのだが・・・・。
◎熱帯魚 Tropical Fish
監督 チェン・ユーシュン
出演 リン・ジャーホン リン・ツェンスン シー・チンルン ウェイ・イン
1996/台湾
熱帯魚を愛する少年。高校入試の前なのに受験勉強も上の空、バス停で見かける少女に淡い恋心を抱いたりしている。ところが、顔見知りの少年と一緒に誘拐されてしまい、海辺の村に監禁される。気のいい誘拐犯の故郷で、「見せ物小屋の蛇女役」の叔母、怠け者でバクチ好きの叔父、しゃべらない妹、ボケたおばあちゃん達との奇妙な暮らしが始まり・・・・。
◎リトル・ダンサー LITTLE DANCER
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 ジェイミー・ベル ジュリー・ウォルターズ ゲアリー・ルイス ジーン・ヘイウッド
2000/イギリス
1984年。イングランド北東部の炭坑町に住む11歳の少年は母を亡くしたばかり。父と兄は炭坑労働者で、ストライキ中のため生活は苦しい。祖母は物忘れがひどくなり、すぐに迷子になってしまう。彼がボクシングの練習に通 っているホールに、バレエ教室が引っ越してきた。ボクシングの練習が終わり、バレエレッスンに飛び入り参加するが・・・・。
◎あの子を探して Not One Less Yi ge dou bu neng shao
監督 チャン・イーモウ
出演 ウェイ・ミンジ チャン・ホエクー チャン・ジェンダ カオ・エンマン
1999/中国
農村の小学校に代用教員としてやってきた13歳の少女。前任の教師に「1ヶ月間、児童の数が一人も減らなければ金をあげる」と言われる。教える技術を持たない少女は精一杯努力する。しかし、クラス一の腕白者が、家の事情で街へ出稼ぎに行ってしまう。少女は生徒たちと必死で考えて、町へ腕白少年を捜しに行くが・・・・。
◎世界美容師コンテスト CHACUN POUR TOI
監督 ジャン・ミシェル・リブ
出演 ジャン・ヤンヌ アルベール・デュポンテル ミシェル・ラロック
1993/フランス
パリの場末で働く60歳になる美容師は、ある晩、運河で自殺しようとしていた若い男を救う。失恋の痛手に打ちひしがれていた若い男は、美容師が以前大女優の髪をカットしていた事を知る。再び表舞台に立つ事を勧める男の言葉に耳を貸さない美容師は・・・・。
2003-01-16
映画「T.R.Y.」を見ました。
今も魅力的な上海ですが、もっとゴタゴタとして何でもありの20世紀初頭の上海。武器商人と陸軍の幹部、新しい中国革命を準備する集団・・・。
「やばくなったら逃げる」をモットーにしているはずの詐欺師が、実際には逃げることが出来ずにいる。そんなヒーローを演じている織田裕二さんが、はまり役。
中国語、日本語、韓国語、英語そしてドイツ語が飛び交う。製作のときは苦労したでしょうと思います。
終わりの頃の映像がいいのですが、それは言えません。
「T.R.Y.」
監督 大森一樹
出演 織田裕二 黒木瞳 邵兵 孫暢敏 楊若兮 ピーター・ホー 今井雅之 松岡俊介
2002年 日本・中国・韓国
2002-12-26
映画「刑務所の中」をみました。
「何かが起こる」「きっと起こる」「それは何だろう」と思っているのに、実に平穏のうちに映画は進んでいきます。
それにしてもあの可笑しさは何処からくるのでしょう。真剣に食事し、真剣に髭を剃り、真剣に袋貼りをする刑務所内の日常。
医官役の椎名桔平が堪えられないほど可笑しい。本当はひどい言葉を吐いているのですが、つい笑ってしまいます。香川照之、田口トモロヲ、もちろん山崎努の可笑しさ。
客席の笑いも多かったのは印象的でした。
原作は自分の獄中体験を描いた花輪和一の漫画です。画家の眼はまるでカメラだなと思いました。
『“1週間くらいなら入ってみたい”きっとあなたもそう思うはず』と、キャッチコピーにありましたが、私も真剣にそのことについて考えてみました。
「刑務所の中」
監 督 崔洋一
出 演 山崎努 香川照之 田口トモロヲ 松重豊 村松利史
伊藤洋三郎 斎藤歩 大杉漣 窪塚洋介 椎名桔平
2002年 日本
2002-12-19
種子島に行きました。
- 「H-IIAロケット」4号機打ち上げの下見
- ・下見をじっくりしました。ロケットから3Km以内は立入禁止。宇宙ヶ丘公園、長谷展望公園など、どちらも射点からは5Kmほど。
- ・「恵美の湯」近くの丘は、射点から3Km。海を越えてロケットがよく見えます。ここに決定しました。
- 2002-12-13 21:30
- ・打ち上げ前夜。射点への機体移動。50mほどの機体は巨大な綿棒のようです。500mの道のりを時速1Kmでしずしずと移動します。
空にはふたご座の流星群、放射点から流星が飛び、ライトアップした機体が水に映り、科学を離れ幻想的な光景。風はほとんどありません。 一番左が移動中の「H-IIAロケット」。紅白の塔は避雷針。その右が射点。
- 2002-12-14 10:00 散水開始。
- 2002-12-14 10:31 -4.7秒 エンジン着火
- - 0秒 SRB-A点火
白煙が噴出。真下に炎、激しくなり飛び上がる。 - ・宇宙開発事業団は、2002年12月14日午前10時31分に、種子島宇宙センターから環境観測技術衛星(ADEOS-II)を搭載したH-IIAロケット4号機(H-IIA・F4)を発射方位角122度で打ち上げました。
ロケットの形がまだ見えている。 - ・低い雲に入ってから青空に突き抜ける。3Km離れているため遅れて激しい地響きと轟音。
- ・光る点となって上り続ける。ほぼ真上。
- ・固体ロケットブースタ燃焼終了、切り離し。
- 笹本祐一「宇宙へのパスポート」より
- ・ロケットの打ち上げには中毒症状がある。天地を切り裂く轟音とともに天に昇るロケットには他の何と引き換えにしても行って見なければならないと思わせる魔力がある。
- ・ロケットというすさまじき乗り物・・・1tのスポーツカーで890Kgが燃料、残る110Kgが搭乗者と自動車本体の重量などということはありえない。H-IIAロケットは荷重に対する安全係数が1.2で設計されている。体重60Kgの人が座ったら壊れる50Kgの人向けの椅子(と同じ)。
- 種子鋏とキビナゴ
- ・1543年ポルトガル人によって伝えられた鉄砲と同時に、南蛮船に乗り組んでいた明国人が「唐鋏」の製法を伝えたのだということです。「切るたびに磨く」という独特の耐久性があるそうです。使うのが楽しみです。
- ・キビナゴの刺身、キビナゴの塩茹で。毎日キビナゴを食べました。