〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

『歌人啄木』吉田孤羊著 ─ 啄木と花の歌 ─ より【第23回】

『歌人啄木』 吉田孤羊著 洋々社 昭和48年(1973年)

 目次は、「啄木研究の足跡 ─序に代えて─ 」から始まり「あとがき」まで13章となっています。

 この中の「啄木と花」の章より、短歌を取り上げた部分を紹介します。

 

─ 啄木と花の歌 ─ より

【第23回】⚪︎花をあつかった彼の歌 11

 

 

作者23歳(明治41年)-11-

 

来るごとにもてこし花をもて来らざる日のみいささか君を疎んず

 

昨日より色のかはれる紫陽花の瓶をへだてて二人かたらず

 

しかいふは菊など活けむ瓶にしも入りねと強ふる君が心か

 

花の下われを呼ぶ子をあなかまといひて避けきぬ物忌の日に

 

すくなくも春さりくれば草も木も花咲くほどの心もて思ふ

 

(つづく)