〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「手套を脱ぐ手ふと休む何やらむこころかすめし思ひ出のあり」啄木 短歌のこと

スイレン

短歌のこと

手套を脱ぐ手ふと休む 何やらむ こころかすめし思ひ出のあり

    石川啄木

解説と鑑賞

「一握の砂」の多くの短歌は、回想がモチーフとなっています。
今の言葉でいうと、いわゆる「デジャビュ」のような感覚でしょうか。

何かなつかしい記憶が思い出せそうだが、はっきりとはしない。回想の内容ではなく、回想する自分そのものを詠っているのです。

(2022-11-09 短歌のこと)

 

手套を脱ぐ手ふと休む何やらむこころかすめし思ひ出のあり 石川啄木【日めくり短歌】