〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

児童の豊かな「言葉の力」を育ててきた柳原教諭 博報賞に輝く

スナゴケ

博報賞功労賞に輝く 言葉の力向上

 短歌通じた敎育 栄誉

 花巻・桜台小の柳原千明教諭は、公益財団法人博報堂敎育財団(東京都)の第53回博報賞の功労賞(国語教育)に選ばれた。短歌創作を通じた多角的な敎育活動を長年積み重ね、児童の豊かな「言葉の力」を育ててきた点が評価された。

  • 授業は音読で短歌への理解を促し、作品作りでは宮沢賢治石川啄木など地域ゆかりの人物を題材にする。詠んだ歌を披露する歌会を重視。子どもたちは作品を鑑賞し合うことで▷聞く・話す▷読む・書く▷話し合うーを総合的に学び、授業時間外も短歌の音数に合わせて言葉を探すなど、語彙力や言葉選びが豊かになり、自己表現力の育成、向上につながるという。
  • 昨年11月には、これまでの教育実践活動などをまとめた書籍「小さな歌人たち 短歌はだれにでも易しい」を出版。小学1年生でも詠める短歌の易しさなどを論じ、教育に携わる人々の足がかりとなっている。
  • 柳原教諭は「身に余る光栄でうれしい。子どもたちには短歌で思いを言葉にする力を身に付け、温かい人間関係を築ける大人になってほしい」と願う。(大友亮)

(2022-11-11 岩手日報

 

『小さな歌人たち 短歌はだれにでも易しい』

著者 柳原千明 
出版社 渓水社
発売 2021年11月
税込価格 2,970円

 

著者 柳原千明 氏

 岩手県花巻市立桜台小学校教諭

 国際啄木学会会員