〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

短歌は「若者たちの心を代弁してくれるものになっている」

フヨウ

社説 毎日新聞

きょうから読書週間 見つけたい心に響く一冊

  • きょうから読書週間が始まる。今年の標語は「この一冊に、ありがとう」。出合えてよかったと思える作品を見つけたい。
  • 出版科学研究所によると、紙の本の販売額は昨年、15年ぶりに前年を上回った。コロナ禍が長引き先行きが見えない中、本によりどころを求める傾向がうかがえる。
  • 読書といえば、小説やノンフィクションを思い浮かべる人が多いだろうが、最近は短歌の歌集を手にする人も増えている。ブームをけん引しているのは「Z世代」と呼ばれる20代の若者らだ。
  • 「五七五七七」という三十一(みそひと)文字に凝縮して表現する短歌は、短文を投稿するツイッターやインスタグラムと親和性が高い。
  • 現代短歌に限らず、明治時代に石川啄木が困窮の中で詠んだ歌に目を向ける若者もいる。
  • 大学で短歌を教える歌人の川野里子さんは「若者たちの心を代弁してくれるものになっている」とみる。言葉の不思議な魅力と文学性で引きつける作品もある。若者の支持に後押しされ、歌集の出版や、売れ行きの伸びにつながっている。

(2022-10-27 毎日新聞

 

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