「私は故郷について何も知らない」 外岡秀俊さんの筆致を振り返る
“北海道で暮らす人が、来たことのない人と同じくらい、故郷のことを知らない。それは、実は私自身の体験だった”
- こうした書き出しで始まった「道しるべ」。話題は花や動物に始まり、季節の移ろい……。
- 時には道内を飛び出して、サハリンではロシアの文豪チェーホフの足跡を、岩手県では石川啄木と北海道との関わりを追い、作家としての好奇心もうかがわせた。
“会社を辞める20日前に東日本大震災が起きた。直後に取材して以来、フリーの取材者として被災地に通うようになった”
“見守るうちに、「ふるさと」を再生する種子を見つけた。それは石碑だ”
- あすで東日本大震災から11年。外岡さんが存命なら、今年はどんな一文を記してくれただろうか。=全2回(佐々木洋輔)
(2022-03-10 朝日新聞)
「私は故郷について何も知らない」 外岡秀俊さんの筆致を振り返る:朝日新聞デジタル