〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木は冬の石狩平野を走る汽車からの景色を「雪中行」に書いた…

f:id:takuboku_no_iki:20220226105131j:plain

冬枯れの木立 (ではなく「ツタ」)

余録

「右も左も見ゆる限りは雪又雪…

  • 「右も左も見ゆる限りは雪又(また)雪。……まだ見ぬ露西亜(ろしあ)の曠野(こうや)を偲(しの)ばしめる」の「川もないのに鉄橋とは」と窓を開けると、雪に覆われた石狩川だった。
  • 啄木は「大河が雪に埋もれて見えぬと聞いたなら、東京辺(あたり)の人などは何というだろう」と記している。厳しい気象条件を克服して生活基盤を築き、発展を遂げてきたのが北海道の歴史だろう。
  • それにしても今年の大雪は特別のようだ。歴史的な積雪量を記録した地域も多い。今月上旬にはJR北海道の札幌駅発着の列車が全面運休になり、20日からの暴風雪でも運休が続いた。
  • 啄木の随筆からは明治期の鉄道運行の正確さがうかがえる。「冬こそJR」はかつてJR北海道のテレビCMのキャッチフレーズだった。除雪体制に自信があったのだろう。

(2022-02-26 毎日新聞

 

余録:「右も左も見ゆる限りは雪又雪… | 毎日新聞